保育施設の事例

園児が他児に他害行為する事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 保育士

性別 女性

お相手

対応者

性別 男の子

年中クラスの担任をしていた頃の出来事です。

H君は本や電車のおもちゃが好きで、小柄で一見おとなしい印象の男の子でしたが、友達を引っ掻いたり叩いたりしてしまう場面が度々ありました。

理由を聞くと「見られるのが嫌」「狭いのが嫌」と話しており、パーソナルスペースへの強いこだわりが背景にあると感じました。

席を端にするなど配慮はしていましたが、周囲の子どもたちが怖がったり、保護者から不安の声が上がることも増えていきました。

ある日、合同保育中の片付けでH君が投げたブロックが女の子の眼鏡に当たり、後日レンズにヒビが見つかりました。

怪我がなかったとはいえ、命に関わる可能性を指摘され、あってはいけないことが起きたと強く感じました。

園長と共に謝罪し、園の責任として誠意をもって対応しましたが、保護者間でH君の噂が広がっていたことを知り、集団の中で支援する難しさを痛感しました。

良かった点

H君の行動を頭ごなしに注意するのではなく、「見られるのが嫌」「狭いのが嫌」といった本人の言葉を丁寧に受け止め、背景にある特性を理解しようとした点は良かったですね。

席を端にするなど、パーソナルスペースに配慮した環境調整を行い、日常のトラブルを減らそうと工夫していました。

また、事故発生後は事実を隠さず、園長と連携して速やかに謝罪し、園の責任として誠意ある対応を取れたことは、保護者対応として適切だったと言えます。

改善点

一方で、合同保育の時間帯は職員配置や見守りが手薄になりやすく、H君の特性に対する配慮が十分に行き届かなかった点は改善が必要ですね。

投げる行為につながる前段階のサインを職員間で共有し、事前に介入する体制づくりが求められます。

また、クラス内だけでなく保護者全体への説明や理解促進が不足していたことで、不安や噂が広がってしまいました。

特定の子を孤立させないためにも、園全体で共通認識を持った支援方針を示すことが重要だったと感じます。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

H君の他害行為は、乱暴さというよりも「見られるのが嫌」「距離が近いのが嫌」という感覚過敏やパーソナルスペースへの強いこだわりから生じていたようですね。自分の不快感を言葉で十分に調整できず、咄嗟に手が出てしまったと考えられます。また、合同保育という環境変化で見守りが分散し、不安や興奮が高まったことも重なり、投げる行為につながってしまったのでしょう。

分析とアドバイスは?

他害行為がある子への支援では、「起きてから止める」だけではいけません。H君の場合、不快感が高まる前のサイン(視線・距離・片付け時の緊張)を職員間で共有し、先回りして環境調整することが重要ですね。また、合同保育のような場面こそ個別配慮の引き継ぎが欠かせません。園全体で支援方針を統一し、保護者にも丁寧に説明することで、噂や孤立を防ぐことにつながりますよ。