保育施設の事例

園児が他児から噛まれた事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 保育士

性別 女性

お相手

対応者

性別 男の子

保育室で、踏み台にI君が座って保育士と向かい合い、体を揺らしたり触れ合って遊んでいました。

そこへ同じクラスのH君がきて、I君と保育士の間にI君の方を向いて立ちました。

H君はI君のことが好きで普段から名前を呼んだり近くへ行くことが多いです。

今回も「たのしそう」という感じでI君にむかってニコニコっと笑顔を見せました。

するとI君がH君の胸あたりに顔を付けました。

するとH君が泣き出しました。

すぐに2人を離し確認すると、I君がH君に噛みついた跡がありました。

良かった点

I君は以前から噛みつきトラブルが多かったので必ず保育士が側にいる体制をとっていました。

今回保育士が止めた時には、もう噛みついた後でした。

すぐに噛まれたところを確認し冷やしましたが、赤みが残ってしまいました。

I君には噛みつきがいけないことを伝え、保護者にも報告。(母も以前から噛みつきを気にしていました)

H君の保護者には、お迎えの際に怪我の場所を確認してもらい状況説明と謝罪をしました。

Hくんの保護者は謝罪を受け止めてくださいました。

その後、事故報告としてクラス内だけでなく園全体で周知

以前から噛みつきがあったので側にいて未然に防げるようにしていましたが、咄嗟の出来事で止めることができませんでした。

もっと子供の行動を予測しておかなければいけませんでした。

しかし、しっかりとその都度いけないことを伝えていくこと、I君の保護者へ伝え情報共有することができたのは良かった点だと思います。

改善点

噛みつきのある子のそばに友達が来たときは、必ず保育士が間に入ったり、一定の間隔が確保できるようにした方が良いと感じました。

しかし、友達との触れ合いや関わりも成長、園生活では大切なことなので、保育士が仲立ちをして行くことが重要です。

また、噛みつきのある子のメンタル面でのケアや環境、雰囲気作りもその時以上に考えられたら良かったと思います。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

I君がH君に向かって顔を近づけたのは、おそらく「親しみを表現したい」「相手との距離感をどうとっていいか分からない」などの動機からでしょうね。
発達段階や言葉表現が未熟な子どもでは、好意や興味を身体的接触で示してしまうこともあります。
しかし、その行為が相手には痛みや怖さを伴う場合があるという認識が十分育っていないため、思わぬトラブルになってしまったのだと思います。

分析とアドバイスは?

まず、I君とH君の関わりを保育士が“仲立ち”してあげることが大切ですね。 たとえば、I君が誰かに近づきたそうな時には、「こうしてみようか?」と距離を保てる方法を声かけして誘導する手立てを持っておくといいですよ。 また、噛みつきや衝動行動が起こりやすい時間帯や状況(疲労、空腹、混雑など)を記録してパターンを探る習慣をつけると予測できる場面が増えます。 加えて、クラスの配置や遊び空間設計を見直して“子どもどうしが過度に接近しすぎない”環境を整えることも効果的ですよ。