保育施設の事例
施設名: その他
園児の発熱時に保護者が迎えを渋る事例
対応者
対応者 保育士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
園児の発熱時に保護者が迎えを渋った。
勤務先に電話をして迎えに来てもらったが、仕事に支障が出るとクレームが入った。
日頃のコミュニケーションを通し、家庭環境や保護者の考え方を把握することが重要。
トラブルが起きた背景
認可外保育園に勤務していた頃の体験談です。
3才のR君が保育中に37.8度の熱を出したためお母様へ電話をしました。
しかし電話に出られず、しばらくして何度か電話をしましたがずっとお出にならず留守電にもなりませんでした。
緊急連絡先となっているおばあちゃま(母子家庭でした)に電話もしますがお出になりません。
どなたにも繋がらず、そのうちR君は40度を超え呼吸も荒くぐったりとし始めました。
さすがに危険と判断しお母様の勤務先に電話をしました。
あいにく席を外されていたため電話口の方に事情をお伝えし、早急に連絡が取りたい旨の伝言を依頼しました。
するとすぐに折り返し電話がありましたが、電話口で「なぜ会社に電話するのか。昼休みに電話するつもりだった。プロジェクトを任されたばかりで子供のことで休みたくない。」などと叱責を受けました。
しかしR君の意識は朦朧とし呼びかけにもほとんど反応せず、視線も定まっていなかったためその旨をお伝えしお迎えをお願いしましたが「今から会議で抜けられない。園で病院に連れて行ってほしい。」と言われました。
しかし病児保育は行っておらず、R君の看病に付きっ切りになると他の園児さんの安全保育にも支障が出ます。
そのため何度もお願いをし、それから1時間後くらいにお迎えに来られました。
しかし終始ご立腹で「これでプロジェクトから外されたらどうしてくれるのか。何のために保育園に預けていると思っているのか」と言われ本部にもクレームの電話が入りました。
最後までご理解いただけず1週間ほどして退園されました。
対応者の中での対応
環境が大きく変わったことで心身に影響が出るのはお子様も一緒であることや、園に通いだすと慣れた頃(1か月過ぎた頃)に大抵、熱を出すお子様が多いことなどを日頃からそれとなくお伝えしておけば良かったのかなと思います。
また園からの電話は緊急時の時のため、必ず電話に出ていただくよう念を押しておく必要もあったと思います。
今回の場合、何度も着信が残っていることはお母様は気づいていらっしゃったそうです。
しかしプロジェクトが忙しく「これが成功すれば正社員」ということもあり、「昼休みに折り返せばいい」と園からの電話に緊急性を感じていらっしゃらなかったそうです。
また園規定として緊急連絡先に最低3か所記載していただいておりましたが、実際に緊急時に連絡がつかないという事象が起きました。
後からわかったことですがお母様はご両親(R君の祖父母)と折り合いが悪く、園の緊急連絡先に記載されていることもご存知なかったそうです。
緊急連絡先に記載していただく方は保護者の代わりにお迎えに来れるような関係性の方、必ず連絡がつく箇所、また大事なことは「園の緊急連絡先に記載している」ということを相手の方にもご了承いただいている必要があると思います。
ワンオペの保護者が増えてきている昨今、特に保護者以外の方の連絡先を記載することをためらう方がいらっしゃいます。
しかし安全に保育を行う上では必要なことだと思います。
入園時に園側としては対処には何ら問題はなかったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
何事も日頃からのコミュニケーションだと感じます。
登園やお迎え時間はどうしても重なるため、一人一人の保護者様とお話しをする時間が取れないのも現状です。
しかしいざという時やはり家庭環境や考え方、園の方針などの相互理解があるかどうかでトラブルが大きくなるか小さくなるかが変わってきます。
離婚したばかりの方はかなりナーバスになっていらっしゃいます。
特に親権を争っている場合などは仕事(収入)がないと状況が厳しくなってきます。
そのため今回のお母様のように「仕事を軌道に乗せなければ」と緊張状態にある場合は体調を崩したお子様を責めてしまうことがあります。
私も当時は「R君がこんなに高熱出しているのに。意識朦朧としているのに」とお母様を非情に思いました。
しかし時が経って今振り返ると、R君を絶対に自分で育てるという強い意志の現れだったとも思います。
もっとお母様の精神状態にも配慮できていればと思います。