保育施設の事例
施設名: 保育園
保育園保育士男の子
対応者
対応者 保育士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
トラブルが起きた背景
年長児の恒例、夏のお泊り会の出来事です。
園で一番大きな年長児ですが、初めて親と離れてお泊りする園児も多く、事前アンケートでは保護者から様々な不安、依頼が寄せられていました。
その中で神経を使ったのが、アレルギー児の対応や薬が必要な子やオムツの問題です。
園児は4〜5人のグループに分かれており、他学年の保育士も含め生活面の世話は一人の保育士が見ていました。
Rちゃんはおねしょの心配があり、こっそりおむつを履かせて寝かせてほしいとの依頼をお母様より受けていました。
担任である私は、事前にRちゃんの所属するグループの担当であるA先生に「こっそり履かせてね」と念押ししていました。
お泊り会当日はバタバタと過ぎていき、夜は一睡もせず見守りタオルケットをかけ直したりうちわであおいだり、トイレの付き添い、おもらしの心配な子の確認などしながら朝を迎えました。
無事終わったお泊り会かと思いきや、後日Rちゃんのお母様よりクレームが。
「子どもから聞いた。みんなの前でパンツを脱がされておむつを履かせられた。」
慌ててA先生に確認しましたが
「こっそり履かせましたよ?」
とのこと。詳しく聞いていくと
「教室内でみんなが寝る支度をしているとき。小さな声でRちゃんを呼んで静かにオムツに替えさせました。みんなそれぞれ寝る支度してたから見えてないと思います。」
と堂々と答えました。
私はてっきり、こっそり=トイレや別室など他児がいないところに気づかれないように連れていき、そこでさっと履き替えるという動きを考えていました。しかしA先生のこっそりは環境のことではなく、小声でこそこそするくらいの気持ちだったのです。
思えばA先生は1.2才児しか担当したことがなく、いつもは周りのお友達の目を気にすることなくオムツ替えをしていた延長で、Rちゃんをオムツに履き替えさせていたのでしょう。
A先生にRちゃんのお母様のお気持ちや、年長児をみている私達が普段どのような配慮をしているかなどを説明していると泣き出してしまいました。「Rちゃんに申し訳ありません」と。
私もA先生の経験など分かっていたのに曖昧な言葉で依頼をしてしまったと反省しました。
Rちゃんのお母様には説明、謝罪をしましたが
「Rはあれからお泊り会またしたいと言っている、子ども自体はそんなに気にしてないようだ、楽しかったみたいだ。」
とおっしゃっていただきました。
対応者の中での対応
事後、保護者、A先生の両方からしっかりと聞き取りを行いました。
まわりの子に見られてしまい馬鹿にされたり、子どもが恥ずかしい思いをしたのではないかという保護者の方の思いを最後まで聞き、共感と謝罪の気持ちをすぐにお伝えすることができました。
A先生には私の説明不足を詫び、しっかりと説明をすることで分かっていただけたと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今回の場合では「年長さんはオムツを履いて寝たら恥ずかしいって思う子が多いの。21時に消灯したらRちゃんを二階のトイレに連れて行ってね。誰にも見られないようにオムツは先にトイレの用具入れに隠してあるからね。トイレの個室の中でおむつを渡して、本人が履き替えるから履いたあとに確認してね。」とA先生に伝えておくべきでした。
この時の反省で、特に新人の先生方への連絡では「早めに」「広いところで」「小さく」など抽象的でなく、時刻や場所、数字など具体的に伝え行き違いのないように気をつけています。保護者の方のクレームも、勇気を出して言って下さっているので誠実に対応していきたいと思います。