保育施設の事例
施設名: 保育園
つかまり立ちが上手な園児が思わぬ怪我をした事例
対応者
対応者 保育士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男の子
事例・対処法の要点まとめ
つかまり立ちが上手な園児が、上唇小帯を切る怪我をした。
念のために歯科を受診し、保護者に謝罪した。
ヒヤリハットの情報共有を行い、事故を未然に防ぐことが重要。
トラブルが起きた背景
0歳児クラスの保育室では、上唇小帯を切るトラブルがよく起こります。
上唇小帯というのは、上唇と歯茎を接続している部分(筋になっている箇所)を言います。
つかまり立ちが始まる0歳児クラスでは、ここを切るトラブルが1年に1回以上必ずあると言っても過言でないほど。
棚や机につかまり立ちをしている時にバランスを崩して、唇を打った拍子に簡単に切れてしまいます。
そのため、保育士は安定していない子がつかまり立ちをしている時はいつでも支えられるように真横や後ろに待機しています。
今回のR君も0歳児でしたが、歩行もある程度安定しており、つかまり立ちはお手の物でしたが、保育室の机に置いてあるペットボトルの玩具が原因で怪我をしてしまいました。
私の園では空のペットボトルにカラフルなビーズを入れマラカスを作っていました。
それを、机に置いたままノリノリで首を振っていた彼は、そのまま唇をペットボトルにぶつけてしまい、出血してしまいました。
歯も生えていたこともあり、ぐらつきはありませんでしたが念のために歯科を受診し、保護者に謝罪しました。
保護者の方は、「命に関わる怪我ではないので大丈夫ですよ。」と言ってくださいましたが、歩けるからもう大丈夫であろうと安心できないなと思った経験でした。
対応者の中での対応
悪かった点は、歩行もでき、つかまり立ちも安定しているからと油断していたことです。
保育士経験があれば、ヒヤリハットの経験からも推測できたはずだと思います。
良かった点は、すぐに病院を受診したことです。
歯に異常がないことは園でも確認できましたが、歯科医でレントゲンまで撮った事で保護者も安心できたためです。
今後同じ事例が起きた時の対処法
上唇小帯の怪我は本当に多いですが、0歳の保育室の環境を整える事で怪我を未然に防げます。
床に玩具を散乱させないことや、つかまり立ちしている時の職員の動き方、ヒヤリハットの集計などが大切です。
子どもは予期せぬ事故が多いので、「こんな時にこんな怪我をした」という情報共有は大切です。
ベテランの保育士はそれだけ様々な現場に遭遇しているので、危険予測もできるはずです。
園内研修や職員会議などでも後輩に伝えていくことで、新人職員もイメージして危機管理できると考えます。