保育施設の事例
施設名: 保育園
保育園保育士女性
対応者
対応者 保育士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男の子
トラブルが起きた背景
家に帰ってくるとSくんが「保育園でA先生(担当保育士)にいじめられている」と毎日ように話しているという相談を受けた。
これを受けてMさんは保育室やホールなどに設置されているカメラの映像を見せて欲しいと話していた。
担当保育士のAに話を聞くと「身に覚えがない」と話していた。
後日、園長、主任保育士、MさんでSくんが話していた日のカメラ映像を見てみたがそのような様子はなく、別の日の映像を見てもそういった記録はなかった。
数日後Mさんから相談を受け、園長と主任保育士、Mさんの3人で面談をする。Mさんによると「Sくんと両親で話し合ったところ『A先生にいじめられたことは嘘である』とSくんが話していたが、泣き出してしまい理由は話さなかった。できれば保育園でも理由を聞いてみて欲しい、今まで申し訳なかった」と話していた。
職員にこのことを共有し、フォローを行っていくが結局Sくんから理由は聞けなかった。
数日後に「お友だちからいじめられている」と話すようになったと相談を受けるが保育園側がMさんから信頼を得ることができたようで、冷静にその内容を保育士に共有していた。
すると、時間が経つにつれ話さなくなったようだった。
Sさんが初めて相談してきた時はかなり感情的な状態だったため、しばらく主任保育士が親身になって話を聞いていた。
またこのことを職員全員に共有し、送迎時にA先生とMさんが顔を合わせないような配慮を行った。
Sくんに対しては、事実確認ができるまであえて保育士からこの話題は話さず、日常の会話の内容や出来事の記録を細やかに行った。Mさんの誤解が解けたあとA先生と対面し、謝罪を受けながらSくんへの配慮やフォローについて話し合った。
対応者の中での対応
今回の対応は園長と主任保育士の対応が良かったと思う。保護者の話に寄り添い、親身に話を聞きながらもA先生のことも信じて守ってくれた。
そして、2人は常に中立的な視点でビデオを何回も見直していた。
この件が収束した後もMさんとSくんへのフォローを欠かさずに行っていたので、保育園との信頼関係がより強くなったように思えた。
今後同じ事例が起きた時の対処法
子どもの様子をもっと気軽に話せるような関係性を保護者と作っておくべきだった。
またSくんともしっかりとした信頼関係を築いておけばこうはならなかったのではないかと思う。そして、日々の記録の大切さを改めて感じた。