保育施設の事例

施設名: 保育園

保育園保育士女性

対応者

対応者

対応者 保育士

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男の子

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トラブルが起きた背景

Hくんは4歳児になる春に入園してきました。
フランス人のお父さんと日本人のお母さんをもつハーフの男の子でした。日本語も上手でとっても明るい性格でクラスにもすぐ馴染みました。しかし入園して2、3ヶ月が経った頃、Hくんのお母さんから少しお話がありますと声を掛けられ、降園後に話をする時間を設けることになりました。
内容としては、『Hくんが周りの子から外国人と言われる』『外国人という言葉は使ってほしくないし日本人だ』とのことでした。
Hくんのお父さんは、アメリカ系フランス人でしたので、お父さんもHくん自身も肌の色が黒く、それを周りの友達が見て『外国人』と表現していたのだそうです。
私自身の目でその現場を見ておらず、前後のやりとりやHくんや友達の反応などがわからなかったので次の日から注目してみるようにするということをお母さんに伝えて、その日は帰ってもらいました。
次の日からHくんの行動をよく見るようにしました。すると確かに子どもたちが『外国人』と発言している場面はありましたが、それは子どもたちが『なんでほっぺた黒いの?』『外国人やからやと思うで』と素朴な自分の疑問や考えを口にしている場面でした。
その場で私は何と声をかけようか迷いましたが『そうだよ。でも、ほっぺたの色が違ってもみんな同じ変わらないよ』と伝えました。
その日の出来事をお母さんに伝えると『そうですか。なにかいじめられたりしていたらと心配で』とおっしゃりましたが、私の話を聞いて安心して帰られました。
しかしまた違う日に園庭開放があり、そのお母さんが遊んでいる子どもたちを指差しながら一人一人に声を掛けていました。その様子を他の保護者が不審に思っている様子があったので、話を聞くことにしました。
お母さんは『また外国人と言われたから、それをやめさせたい』とおっしゃりました。
私は園長に相談しました「外国人と言う言葉を他の友達に使ってほしくない」というお母さんの思いと「その子が外国人だということは事実であり、それを隠す必要はあるのか?子どもたちは悪気があって言ってるわけではないし、5歳児に道徳的な教育は不可能だ」という園の思いがあり、もうすこし深く話し合いが必要だと考えました。
後日、お母さんと私と園長の3人で話し合いをしました。まず園でのHくんの様子をもっとたくさん伝え、楽しく過ごしているということ、友好な友達関係などを伝えました。
その上で今後、Hくんがハーフだということで乗り越えなければいけない壁があるねという話をお母さんにすると、お母さんは泣き出しました。
お母さんはこれからのHくんの将来にとても不安を覚えていたようです。ハーフだということ、色が黒いということで肩身の狭い思いをしないか、いじめられないかというものでした。
『園ではみんながHくんを見守っているし、もしこの先何かあった時にはみんなで一緒に考えましょう』と伝えると、お母さんは肩の荷が降りたように安心した表情になりました。
それから、お母さんが過剰に心配したりするようなことは少なくなりました。

対応者の中での対応

外国人・ハーフなどは時に難しい問題になりますが、お母さんの思いも受け止めつつ園の方針や思いも伝えたところが良かったと思います。
お母さんの思いを全て受け止めて、子どもたちに接し続けることもできたかもしれませんが、それでは子どもたちののびのびとした生活を守ることができませんし解決にはなりません。やはりめんどくさがることなく、しっかり最後まで突き詰めて話し合ったことが良かったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

私は1回目にお母さんから声を掛けられた時、園長に報告することを怠りました。
もしあの時に園長に報告して共に話を聞くことをしていれば、もう少し早くお母さんを安心させられる結果となったかもしれません。
やはり保育には報告と連絡と相談の3つが絶対ですね。

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