保育施設の事例

施設名: 幼稚園

幼稚園幼稚園教諭女性

対応者

対応者

対応者 幼稚園教諭

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 女性

記事をチェック

SNSで知り合いにシェア

facebook

line

twitter

トラブルが起きた背景

幼稚園で子ども達が降園し終わり掃除をしていた時の事でした。
Sくんとお母さんのKさんが険しい顔で戻って来て、お話があるようだったので教室に入ってもらい話をしました。
「謝りなさい。」と厳しくいうお母さんと口をつぐんで黙りこくるSくん。お母さんはSくんから事情と謝罪を言わせたいようだったのでしばらく待ってみましたが、Sくんも口を閉ざしますますお母さんがイライラしてきたので、とりあえず事情を聞いてみました。
Kさんが言うには、幼稚園の絵本が家にあった物と同じだったので、間違って持って帰って来てしまったとの事。
「間違ってしまっただけなら仕方なかったです。Sくん、お家にあるのと一緒だったから勘違いしちゃったんだね。」
と絵本を受け取りましたが、KさんはどうしてもSくんに謝らせたい様子で、間違っても黙って持って来たのは悪いから謝るべきと叱っていますがSくんはずっと黙ったまま。
私からSくんの気持ちを聞いてみると、悪いことはしていないのに謝りたくないと教えてくれました。
Kさんの気持ちもSくんの気持ちも分かります。しばらく親子二人で話させてほしいとのKさんの申し出で、教室に二人を残し10分位外掃除をして戻りました。
しかしまだ平行線、もう二人共煮詰まっている様子でした。
「Sくん、間違って持って帰ちゃったから仕方なかったよね。でもなくなっちゃうと幼稚園も困るからちゃんと返してくれて助かったよ。間違えちゃってごめんねって言えるといいね。でも今日はいっぱいお母さんが伝えてくれたからいいよ。また明日元気に来てね。」
と伝えました。Kさんはそれでも今謝らせたい様子ではありながらも、一応区切りをつけて帰って行かれました。

対応者の中での対応

Sくんがまだ3才である事を考えるとお母さんの要求は高かった様な気もします。
今すぐでなくても、年中年長になるうちにできる様になってくる事もあるので、必要な事は伝えつつ今すぐ全てできなくても大丈夫だと伝えてあげても良かったかなと思います。
でも一生懸命、ちゃんと育てようと頑張っているお母さんの気持ちも、もっと理解して寄り添って声をかけてあげるべきだったと思いました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

実際この経験は私が結婚出産する前の事でした。お母さんもそんなにムキにならなくてもと思った部分もあったのです。
しかし自分自身が子育てをしてみると煮詰まってしまう気持ちが良くわかります。きちんと育てなくちゃ、ちゃんとした子に自分がしてあげなきゃと切羽詰まりながら子育てしているお母さんがなんと多い事か。そして元幼稚園教諭である自分もまさにそうでした。
ですから、今ならKさんにかけてあげられる言葉があるのです。
もし上手く子どもに伝わらず煮詰まっている保護者の方がいたら、是非、よく頑張っているねと声をかけてあげてほしいです。今日一生懸命伝えた事は無駄ではないからね。今すぐでなくてもちゃんと心に残って伝わっていくからね。頑張ったね。と伝えてあげてほしいです。

記事をチェック

SNSで知り合いにシェア

facebook

line

twitter

介護施設の事例一覧へ