保育施設の事例
施設名: 保育園
園児が投げたおもちゃが他児に当たり怪我をさせた事例
対応者
対応者 保育士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
園児が投げたおもちゃが他児に当たり怪我をさせた。
傷について父親から苦情があったが、トラブルの経緯を説明しお詫びをして、ご理解いただいた。
周りの保育士と情報共有をきちんと行うことや、子どもだけではなく保護者の気持ちを考えた対応を行うことが重要。
トラブルが起きた背景
クラス別保育が始まる前の、朝の合同保育の時間に園庭で起きたトラブルです。
年少クラスのMくんとHちゃんは砂場で遊んでいました。
一緒には遊んでおらず各々が自分の好きな遊びを楽しんでいました。
その時にMくんが自分の持っていたプラスチックの大きな砂場用の車を投げました。
それがそばに居たHちゃんに当たってしまったのです。
Hちゃんは大泣きし、頬に5センチくらいのすり傷ができてしまいました。
すぐに近くに居た保育士が対応し、傷口を洗って患部を冷やしました。
2人と話をしてMくんがHちゃんに謝り、トラブルは解決しました。
この時、担任だった私はまだ出勤しておらず後からこの話を聞きました。
Hちゃんの怪我の確認と気持ちのフォローをしその日は様子を見ながら過ごしました。
Hちゃんは傷を痛がることはありませんでしたが、時間が経つにつれ傷は目立っていきました。
夕方になり、お母さんがお迎えに来られた際に起こった出来事をお伝えしお詫びをしました。
お母さんは傷を見てショックを受けていましたが、子供同士のことだから大丈夫だと了承して帰られました。
夜になりHちゃんの父親から傷に関してのお怒りの電話が保育園にありました。
電話対応したのは園長でしたが、園長にこのトラブルのことが伝わっていませんでした。
後から出勤した私は園長は知っているものだと思い込んでおり、報告をしていなかったのです。
園長はすぐに事実確認をし、担任から電話をかけることを父親に伝えました。
私はもう一度トラブルがあった時に居た保育士に事実確認をし、父親にトラブルの経緯を伝えるとともに、私の対応不足についてお詫びをしました。
父親は怪我をさせた子の保護者がこのことを知っているのか気にされていました。
私が働いていた保育園では、園で起きたトラブルは保育士の責任であるため、子どもの年齢が低い加害者の保護者にはトラブルについて伝えていませんでした。
後日、怪我をさせてしまったMくんの保護者にトラブルのことを伝え、防ぐことができなかったことをお詫びしました。
そしてMくんのお母さんはHちゃんのお母さんに謝罪されました。
トラブルがあった次の日は休みだったので私はHちゃんの父親に電話をし、Hちゃんの傷の状態を確認しお詫びをしました。
その電話の中で父親はこのトラブルについて了承してくださりました。
Hちゃんの両親は普段、保育園の運営にご理解いただきとても優しい方なので、この件は私の配慮が足りない一件でした。
対応者の中での対応
周りの保育士との報告、相談、連絡ができていませんでした。
傷がひどいにも関わらずお詫びの時に園長が同席するようにしなかったのも反省点です。
これをするようにしていたら園長に報告がもれていてもここで判明し、もっと配慮ある行動ができていたのではないかと思います。
園児が降園後に傷の確認の電話をし、直接お詫びできなかった父親にお詫びをするべきでした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
もっと周りの保育士と連携をとり報告、相談、連絡を確実にする必要があります。
とくに上席の先生にはすぐに伝え、どのような対応をしたらよいか助言をもらい対応することが大切です。
顔の傷は特に目立つし気になります。
病院に行くことができれば病院で処置をしてもらった方が安心だと思います。
その時には保護者に連絡し事情の説明、傷の具合、本人の状態をしっかり伝え病院に行くかどうか相談するのが望ましいです。
このケースでは怪我をした本人のことばかり考えていましたが、保護者の気持ちももっと考えて行動したら良かったと思います。
保護者の方は大切な我が子の顔に傷ができたらショックですし、気になります。
なぜそのようなことをされたのかが気になりますし、相手の子に対して負の感情を抱くこともあります。
保護者には起きたことを丁寧にお伝えしながらお詫びしなければいけないと思います。
お詫びの時には園長も同席し謝罪をした方がいいです。
そして周りの職員にも起きたことが確実に伝わるようにしておく必要があると思います。
口頭で伝えるのは難しいこともありますが、園全体の伝達ノートなどを活用し共有できると思います。
そして降園後、傷の状態の確認のため電話を入れ、直接お詫びできなかった保護者の方にもお詫びをします。
次の日もその子が登園する時には担任がいるようにし、傷の確認ともう一度お詫びをする必要があると思います。