保育施設の事例

施設名: 幼稚園

保護者同士の問題が子供に飛び火した事例

対応者

対応者

対応者 幼稚園教諭

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 わからない

認知症の状況 わからない

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

園児が他者の車にぶつけたことで保護者間だけでなく子供間でもいじめが始まった。

私は幼稚園教諭でしたので、子供への対応はペープサートでクラスの園児がみんな理解するまで何度も見せました。 その都度、相手の立場になって考えることの大切さ、言われる側、言う側の気持ちはどうか?ということを子供達に考えさせました。効果はあったようで子供間のいじめは無くなりました。 保護者への対応は教諭が口出しできない部分があり、Tさんが園に相談してくださったので担任の私と園長が相談に乗る機会はありましたが、両者の溝を埋めるようなことはできずで終わってしまいました。

子供への対応は間違っていなかったと確信しています。 保護者間のトラブルについてはとても繊細な問題で、どこまで園側が介入するのかはケースバイケースだと思います。 起こってしまった事象について教員同士で内容を共有し、どのような対応をしていけばいいのかを協議することが大切だと思います。 園によっても様々な方針がありそれぞれ違うと思いますが、人としてどう考え対応するかという点に重点を置きながら考えていくことが大切だと思います。

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トラブルが起きた背景

私が幼稚園教諭をしていた20年ほど前の話です。
私はキリスト教の幼稚園に勤務しており、25人ほどの年長児のクラス担任をしていました。園児全員バスでの登降園でしたが、保護者が参加型の行事がある時は降園のみ保護者がお迎えをしていました。月に1度ほどしかないお迎えの日に起きたトラブルが後に大変な事になりました。
お迎えは車で来る保護者が多数で、幼稚園の敷地内にも大きな駐車場がありました。この幼稚園に通わせる保護者は富裕層が多く、車もかなりの高級車揃いでした。
もちろん一般大衆車に乗っている方々もいますが、保護者の中では車の車種を見て自分より格上か格下かを判断していたそう。なので駐車場に停めるスペースはなんとなく高級車ゾーンと一般車ゾーンにわかれていました。きっと保護者の中での暗黙のルールみたいなものがあったのだと思います。
その日はたまたま高級車の中に一般車が停まっており、一般車の子供(Yちゃん)がドアを開けた際に隣の高級車(保護者Oさん)にぶつけてしまい、ドアを凹ませてしまったそうです。
同じクラスの保護者同士だったのですが、ぶつけられた方の保護者Oさんはひどく激怒をしたそうで、ぶつけた側のTさんが何度謝っても怒りが収まらなかったようでした。
そこへ園長が対応をしてその場はなんとか収まりそれぞれ帰宅をしたのですが、その後ぶつけられたOさんはクラスのママ友にメールで拡散し、Yちゃんはわざとぶつけたのではないのに”わざとぶつけた”と強調したそうです。
メールを受け取ったクラスのほとんどの保護者は真相を確かめずにOさんからの内容を信用し、同情してしまい、その時点でTさんが悪者扱いされてしまったのです。事実とは異なる方が一人歩きする結果となってしまい、それ以降のYちゃんの園生活にも影響が出始めました。
Oさんの子供のAちゃんや、なんの関係もない他の子供達がYちゃんに対して「ちゃんと謝って!」と言ったり「車を壊したYちゃん」と変なあだ名をつけ始めたりしたのです。
言っている子供にどうしてそんなことを言うのか話を聞いたら、自宅でお母さんから「Yちゃんが悪い子」と教えられたり「なるべくYちゃんとは遊ばないように」と言われたそうです。
それが子供達の中でも広がり、ママ友いじめが伝染して子供いじめにまで発展してしまったのです。
幼稚園年長児とはいえまだまだ真相の究明ができないし、なんだか訳もわからず他の子の真似をしていじめまがいな行動をしている子もいました。
緊急に子供達への対応が必要と判断し、まずはいじめに関する絵本を探しましたが幼稚園にはありませんでした。
そこでペープサートを作成し『どんな気持ち?』というタイトルで相手の気持ちを考えて発言することの大切さ、事実じゃないことを本当のように言うことの怖さを物語にして見せました。
ペープサートにして見せたことにより、口頭での説明よりも子供が理解しやすいような物語にして見せる方が理解しやすかったようです。
してはいけないことだったと認識できるようになり、私も担任として両者の心を察しながら対応するように心がけていくうちにYちゃんへのいじめはピタリとなくなったのです。
でも保護者同士の溝は埋まるどころか深まるばかりで、Tさん自身が精神的に病んでしまい園行事への参加はしなくなり、とうとうYちゃんを幼稚園に行かせたくないと思うようになってしまい、結果転園することになってしまいました。
ずっと担任としてTさんと電話で話したりしていましたが、保護者同士のトラブルはなかなか難しく教職員が口を出せない部分もあり、園長とTさんの面談も試みましたが力およばずな結果になってしまいました。

対応者の中での対応

私は幼稚園教諭でしたので、子供への対応はペープサートでクラスの園児がみんな理解するまで何度も見せました。
その都度、相手の立場になって考えることの大切さ、言われる側、言う側の気持ちはどうか?ということを子供達に考えさせました。効果はあったようで子供間のいじめは無くなりました。
保護者への対応は教諭が口出しできない部分があり、Tさんが園に相談してくださったので担任の私と園長が相談に乗る機会はありましたが、両者の溝を埋めるようなことはできずで終わってしまいました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

子供への対応は間違っていなかったと確信しています。
保護者間のトラブルについてはとても繊細な問題で、どこまで園側が介入するのかはケースバイケースだと思います。
起こってしまった事象について教員同士で内容を共有し、どのような対応をしていけばいいのかを協議することが大切だと思います。
園によってもさまざまな方針がありそれぞれ違うと思いますが、人としてどう考え対応するかという点に重点を置きながら考えていくことが大切だと思います。

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