障害者施設の事例
施設名: 自立訓練(生活訓練)
自閉スペクトラム症の方が他者との関わりを拒否した事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
自閉スペクトラム症の方が他者への挨拶を拒否してしまった。
責任者から、挨拶の必要性について説明と確認をする時間を設けた。
スピーディーな共有によって支援を途絶えさせないことが大切。
トラブルが起きた背景
Mさんは自閉スペクトラム症と知的障害をお持ちです。
比較的若い利用者ですが、情緒の不安定さから他害などもあり入院されていた時期もある方です。
入院生活が2年以上に及び人との接点が少なかったですが、ご本人とご家族の希望もあり、社会性の獲得の一環として通所時に他者との挨拶というものが個別支援計画に盛り込まれました。
しかしご本人の通所初日、挨拶と自己紹介をした途端に「僕に関わらないでください」「なんで初めて会う人に挨拶をしないといけないんですか?」と怒りを顕にされ、しばらくの間接点を持てなくなってしまいました。
対応者の中での対応
事前の確認事項として、担当者会議に同席した職員以外への認知を持ってもらう事への配慮が不足していたようにも思います。
事案について直ぐに他の職員と共有を行い、ご本人に直接的にアプローチできる職員を減らさない予防策を検討することが出来ました。
スピーディーな共有によって、早い段階でサービス管理責任者より個別支援計画上の「社会性の獲得」としての挨拶の意味や必要性などについて説明と確認をする時間を設けることも出来ました。
後に関係性を築いた他の職員を介しながら、徐々に私自身との関係性を築けてこられたことは良かったと思っています。
初の通所日ということだったので事業所として迎え入れる際に、担当者会議で顔を合わせた人間が出迎えるなどの工夫が思いつかなかった点は反省点だと感じています。
今後同じ事例が起きた時の対処法
様々な特性をお持ちの利用者を受け入れていくことがある程度の前提にあります。
利用者の知的な水準、こだわりなどに代表される特性の他にも、ご本人が他者の話や提示されたものをどのように解釈するのかということを細かに見ていくことが求められます。
支援者一人一人の見立てだけでは偏りが出来ますし、支援出来ることにも当然偏りが出ます。
些細なことでも共有していく職場風土を日頃から作っていくことが何よりも大切だと感じています。
また支援者自身を守るという意味でも場がこじれる、こじれそうな兆しがある時には他の支援者と交代が出来るようにお互いの動きへの心配りをしていくことも大切だと思っています。
スピーディーな共有や交代によって支援を途絶えさせないことは大切です。