障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
自閉症の方のこだわりが強く普段と違うことで怒りだした事例
対応者
対応者 介護福祉士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
自閉症の方がこだわりが強く、普段と違うことで怒りだした。
別室へ移動してもらい、落ち着いてから状況を説明して納得していただいた。
口頭での説明の理解が難しい場合は、実物を見せたり箇条書きにするなど、伝え方を工夫する。時間のこだわりに関しては、幅を持たせた時間を設定して慣れてもらうことも重要。
トラブルが起きた背景
Mさんは自閉症で非常にこだわりが強い方です。
何時に日課の○○をすることや、自身の工作に必要な物品はこれしかダメ等Mさんの中でルールがあります。
ある日スタッフが不足しており、準備が遅れたことでMさんの食事時間が普段より10分ほど遅れてしまいました。
5分遅れた時点で「遅い!」と大きな声で不満を口にしていましたが何とかなだめ食事をとっていただきました。
しかし食事が終わってもイライラは収まらない様子です。
その後Mさんの日課の工作を行っていたのですが必要な折り紙の色の1種類が不足しており、そのことに納得がいかずMさんの怒りは爆発してしまいました。
館内に響き渡る大声を出し、周辺のものを投げつけ始め周囲に危害を加えそうな状況だったため、周りの人を離れさせMさん本人は別室へ連れて行き落ち着くまで職員が近くで見守りました。
その後落ち着いてから食事時間は毎日ぴったりの時間には提供できないことと、折り紙が不足していたら職員に不足しているものを伝え要求するように伝えました。
作業所内にはその時に不足した色はありませんでしたが代用できる色はあったため、その色で代用できることを説明することで納得されていました。
作業所に戻ってもらい、その後は落ち着いて作業に取り組んでおられました。
対応者の中での対応
別室にMさんを移動させることで他の利用者に危害が及ばないようにできました。
場所を変えることで気持ちを切り替える助けになったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
素材などに強いこだわりがあっても、代用できるものを掲示し問題なく使用できることを説明すれば受け入れてもらえることが多いです。
色鉛筆や色紙はメーカーによって名称が違うことがあります。
例えば一方は緑、もう一方はグリーンと表記していればこだわりが強い方は違うものと認識することがあります。
その場合は口頭で説明するだけではなく、実物を見比べながら説明すると納得してもらいやすいです。
口頭での説明の理解が難しい方であれば箇条書きにした文章やイラストも有効です。
伝えたいことを端的に表現できると理解してもらいやすくなります。
時間に対するこだわりも、口頭だけの説明ではなく箇条書きの説明やイラストでの説明が有効だと思われます。
食事は何時頃で、帰りは何時頃という風に幅をもたせた時間を設定し少しずつ利用者さんになれていってもらう必要があります。
全く日々のスケジュール設定がない場合は自閉度が強い方には辛いことがありますので、本人の許容度に合わせた設定が必要です。