障害者施設の事例
施設名: 病院
パーキンソン病の方が服薬を拒否した事例
対応者
対応者 ボランティアその他
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
パーキンソン病の方が突然服薬を拒否した。
薬の形状を変更しても飲んでもらえず、貼り薬のみとなった。
薬を飲まなくなった場合にも治療を続けるという点がポイントで、患者との関わりをゼロにしないことが重要。
トラブルが起きた背景
Mさんはパーキンソン症状を有する84歳男性で、病状改善を目的として15種類の内服薬が処方されています。
パーキンソン病の治療薬には飲み薬の他に貼り薬もありますが、基本的な軸となる治療は「飲み薬」です。
これまで15種類の飲み薬を1包化して調剤していて本人が自己管理で飲んでいたのですが、ある日から急に「飲み薬を飲まない」と言い出して全く薬を飲まなくなりました。
錠剤を口の中で溶けるタイプの錠剤に変更しても粉薬に変更しても「飲まない」の一点張りであるため、最終的に必要最低限の「貼り薬」だけに薬が減りました。
対応者の中での対応
錠剤を口腔内崩壊錠に変更したり粉薬に変更したりしても口の中に薬を入れてもらえないため、薬剤師としては打つ手なしという感じです。
錠剤を飲まなくなった理由について教えてもらえず、嚥下が低下したためなのか口渇のために口の中に錠剤を入れることが辛いのか、推測することしかできなかったことが悪かった点です。
その中で貼り薬だけでも続けることができたことは本人の治療にとっても、自分たちの存在意義を保つためにも良かった点だと感じます。
今後同じ事例が起きた時の対処法
飲み薬で治療を行う方が「急に薬を飲まなくなる」ことは往々にして起こり得ます。
その際に理由をお伺いすることができれば患者様に寄り添う調剤ができるのですが、訴えることをせずに急に態度を変える方には非常に苦労をします。
治療をボイコットする方もおりますが、その中でも治療をゼロにせずに今回の事例でいう「貼り薬」だけは治療を続けるという点がポイントで、患者様との関わりをゼロにしないことが長期的な関わりを持つ方法だと感じます。