障害者施設の事例
施設名: 放課後等デイサービス
中度知的障害の方が注目要求行動をした事例
対応者
対応者 児童指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
中度知的障害の方が注目行動要求(部屋の隅で排便)をした。
淡々と対応し、気持ちを切り替えるために外に連れ出した。行動はおさまった。
臨機応変に行動の観察を行うことが大切。
トラブルが起きた背景
放課後デイサービスの提供時間中のことです。
その日Oくんは、いつもに比べて行動面が激しく、頻繁に指導員に対する注目要求が多く見られました。
注目要求とは、注目をされたいためにわざといけないことをする行動です。
指導員が他の利用者さんと遊んでいると、その子が部屋の隅っこに行き「えへへへ」っと笑い声をあげていました。
この笑い声を出すときは何かいけないことをしている時です。
何をしているのかと見に行くと、Oくんは部屋の隅でパンツを脱ぎ排便をしていました。
排泄はトイレでできるお子さんなのでわざとしていたのです。
これが注目要求だと分かっていたので私は何も反応をせず淡々と片付けをしました。
そしてこの場所にいると彼の気持ちが切り替わらないなと感じ、送迎担当に連絡をして外に連れ出すようにお願いをしました。
その後、気持ちがクールダウンできたのか家に帰るまで同じような行動は起きませんでした。
対応者の中での対応
彼の行動の理由(注目要求か、回避の行動なのか等)を観察しその原因を解明した上で、どういう環境配慮が適切かを考えることができたのは良かった対応だと思いました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
お子さんの不適切な行動には必ず理由があります。
嫌なことがあったのでそれを伝える手段として実行したのか、大人の注目を引きたくて行っているのか、何か目的物の取得が目的で行うのか、その理由により支援者の対応が変わってきます。
また、すべての行動に言えることは決して「怒る、叱ってはいけない」ことです。
お子さんたちは伝える手段の獲得ができていないため、今自分の持つスキルを使って何かを伝えようとします。
そして怒ったところで「怒られた理由」の理解はできないため、余計に「注目してくれた」という誤学習につながる恐れがあります。
もちろん命の危険に繋がりそうな時には叱る必要もありますが、臨機応変に行動の観察を行うことが支援者として大切になります。
発達障害を持つお子さんに関わる先生は、そういったお子さんの行動面の知識を身につけるとより良い支援につながると思います。