障害者施設の事例

中度知的障害の方が興奮状態になり身体拘束をした事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 生活支援員

性別 男性

お相手

対応者

性別 男性

Uさんは中度知的障害をお持ちです。

支援施設内で深夜に奇声を発したことで、他の利用者の方とトラブルになりました・・・

Uさんが興奮したことで暴れ出し、他の利用者を傷つけそうになったため、Uさんの身体を拘束しました。

なお拘束後もUさんは落ち着きを見せなかったため、監視の下、翌日になるまで観察付きでUさんを拘束することになり、問題の解決を図りました。

翌日にはUさんは落ち着きを取り戻しましたので、拘束を解除し、日常に戻っていただきました。

良かった点

今回は、Uさんが他の利用者さんに危害を加えるおそれがあったので、すぐに身体拘束という対応に切り替えた判断は適切だったと思います。

何より、他の利用者さんの安全を守ることを最優先にできたのは良かった点ですね。

それから、拘束中もずっと観察をつけて、Uさんの様子を丁寧に見守れたことで、最終的には大きな事故には繋がらずに済みました。

翌朝には落ち着きを取り戻してくれて、無事に日常に戻れたので、本当に安心しました。

こういう時、チームでの連携があると心強いなと改めて感じました。

改善点

今回のケースで反省すべきは、やっぱり「なぜ深夜にUさんがそこまで興奮してしまったのか」をもう少し深掘りできなかったことですね。

拘束はどうしても最終手段なので、可能であればその前に落ち着かせる工夫や支援ができなかったのか、検証が必要だったと思います・・・

Uさんの生活リズムや睡眠環境、日中のストレスのたまり具合なんかも見直すべきだったかもしれません。

それと、拘束って身体的にも精神的にも大きな負担になるので、事後のケアもしっかりしていかないといけませんね。

支援記録や会議で情報を共有して、同じような事態を未然に防ぐ仕組みを整えていくことが大切だなと感じました。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

Uさんが興奮状態になったのは、おそらく「刺激の過多」「夜間の環境ストレス」「予測不能な変化」が重なった結果ですね。
中度知的障害をもつ方は、夜間の騒音や刺激、日中の疲れなどで情緒のバランスを崩しやすく、興奮→暴力という流れに陥る可能性があります。
準備と予防が不足していたことが事故を招いたと言えます。

分析とアドバイスは?

身体拘束は“最後の手段”なので、まずは代替案をできる限り用意しておくことが大切ですよ。 具体的には、夜間の環境の静穏化、安心できる落ち着きルームの準備、早めに興奮の兆候を察知できるモニタリング指標の設定など。 また、拘束後のケアも丁寧に行って、心理的・身体的なダメージを軽減する振り返り会を必ず持ち、支援記録と行動支援計画に反映させることをおすすめします。