障害者施設の事例
施設名: 生活介護
最重度知的障害の方が他者の大声に反応した事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
最重度知的障害の方が他者の大声に反応し、隣の利用者につかみかかってしまった。
冷静に対応し、利用者が落ち着いて過ごせる席に誘導した。
利用者と職員の両方が傷つかない方法をよく検討することが重要。
トラブルが起きた背景
Iさんは大きな声が苦手で、誰かが争う声やアピールする利用者の大声などに反応し、近くにいる人物につかみかかってしまうことがあります。
送迎バスの乗車中、他の利用者が職員に話しかける声が大きかったため、Iさんは隣に座っていた利用者に叫び声をあげてつかみかかってしまいました。
職員KはIさんの背後から腕を交差させて抑え、穏やかな声で声かけを行いました。
しばらくするとIさんの身体から力が抜けて叫び声もおさまりました。
職員Kは通常の業務に復帰し、アピールの強い利用者とIさんとの距離を空けました。
その後、Iさんは大勢でいることが苦手だとわかったため、送迎車両を大型バスから小さなステーションワゴンに変えました。
対応者の中での対応
良かった点は、利用者と同じテンションにならず落ち着いて対応できた点です。
悪かった点は、大きな声が苦手だと分かっていたにもかかわらずIさんを気分が高揚しやすい座席に誘導してしまった点です。
その後Iさんの送迎車両(落ち着いて乗れる車両)を変えるということにつながった点は評価できると思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
気分が高揚してしまう利用者への対応は怖い面もあると思います。
他の利用者への被害を防ぐために職員が犠牲になるということを良しとする考えがあるとするならば、それは間違いだと思います。
利用者も職員も双方が傷つかない方法をよく職員間で話し合ってほしいです。
出てきた解決策はどんな微力なことに思えても、それが利用者の不利益になるものではないなら、ためらわずに実行するべきであると思います。
現場での試行錯誤の積み重ねが後にデータとして生きてくると思います。