障害者施設の事例
施設名: 共同生活援助(グループホーム)
社会不安障害の方が職員に好意を抱いた事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
社会不安障害の方が職員に好意を抱き、毎日電話がかかってくるようになった。
その都度気持ちには答えられないと伝えた。利用者は周囲との関係性を理由に退所した。
職員と利用者であるという認識を持てるよう日頃から線引きを行い、それでも難しい場合は周囲に助けを求めることが重要。
トラブルが起きた背景
約20年前、まだ私が現場の職員として勤務していた頃、当時はまだ新法移行前の授産施設として運営していた当事業所にYさんが利用契約し通所することとなりました。
Yさんは4年制の大学を卒業し一時期は就職して働いたこともあり、手帳は持っていませんでしたが軽度の知的障害があると思われる女性でした。
Yさんは私の班に配属され共に作業をすることとなりました。
私の班は畑仕事の班で、Yさんは農業系の大学を出ていたこともあり利用開始当初から積極的に私にコミュニケーションを取っていました。
しばらく経ったある日、相談したいことがあるから電話番号を教えてほしいと言われ、深く考えずに教えてしまいました。
その日から毎日のように電話がかかってくるようになり、長いときは2〜3時間も電話をすることもありました。
そのうちに「助けてほしい」「一緒にいてほしい」などと言われるようになり、その度にYさんの気持ちには答えられないと返答していました。
やがてYさんは同じ班の他利用者との関係性を理由に退所してしまいました。
対応者の中での対応
安易に個人の電話番号を教えてしまったのは軽率だったと思います。
また毎日のように電話がかかってくることに対しても、その全てに対応してしまい一人で抱え込んでしまいました。
退所理由は他利用者との関係性であったが、自分の行動も原因の一つになっていたのではないかと思ってしまいます。
今後同じ事例が起きた時の対処法
まずは、利用者から連絡先を聞かれても個人の番号は絶対に教えないことが大切です。
男女で行動している以上生じてしまう問題の一つであると思いますが、大前提として職員と利用者であるという認識をお互いに持てるよう日頃からしっかりとした線引きを行うことです。
それでも利用者から好意を抱かれているなと感じた時、自身で対処できるなら良いですが、難しい場合は周囲に助けを求め、自身又は利用者の配置転換や第三者に間に入ってもらうなど他者の力を借りましょう。
利用者からの好意的なアクションに対して真摯に受け止め対応することもある意味では大切だとは思いますが、それが逆に希望を与えてしまうことにも繋がってしまうこともあります。
こちらにその意思がないのであればはっきりと伝えたり軽くいなせるようなテクニックも身につけられると良いと思います。