障害者施設の事例

精神障害の方同士の指摘トラブル事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 社会福祉士

性別 女性

お相手

対応者

性別 女性

Yさんは強い不安症状、鬱症状のある方です。

将来の就業を考え、作業所での作業を最近スタートされました。

箱の組み立て作業を行うのですが、Yさんは間違えて破ってしまうことが多く、職員もその都度きつく注意せず本人の様子を見守っていました。

しかし、同じく精神障害で作業所に通われている40代女性の利用者から「仕事なんだからきちんとしないとあかんよ。」と何度も注意を受けることがありました。

「私も気をつけているけど破ってしまうことがある。スタッフさんはすごく優しいけど、⚪︎⚪︎さん(40代女性利用者)に言われると胸が痛くなる。もうここには通えない。」という不安を私たちスタッフに呟くことが多くなりました。

良かった点

Yさんの強い不安症状や抑うつ傾向を理解し、作業の失敗に対して頭ごなしに注意せず、安心して作業に取り組めるよう見守る姿勢を取っていた点はとても良かったですね。

就労を見据えた段階で、まずは「失敗しても受け止めてもらえる環境」を整えたことは、自己肯定感の低下を防ぐ上で重要でした。

また、Yさんが不安な気持ちをスタッフに言葉で伝えられていたことから、職員との信頼関係が築けていたこともうかがえます。

改善点

一方で、利用者同士の関わりに対する配慮が不足していた点は改善が必要ですね。

作業所内での注意や指摘の仕方について、事前にルールを共有できていなかったことで、Yさんの不安を強めてしまいました。

職員が間に入り、「指導はスタッフが行う」「困りごとは職員に伝える」と明確に示す必要がありました。

また、作業内容や難易度の調整、声かけの工夫など、安心して通い続けられる環境づくりを早い段階で整えることが求められます。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

Yさんは不安や抑うつが強く、「失敗してはいけない」という緊張を常に抱えながら作業に臨んでいたのだと思いますね。一方で、利用者同士の関係性や役割分担が明確でない環境では、「善意のつもりの注意」がトラブルに変わりやすいものです。職員が見守りに重点を置く一方で、利用者間の心理的安全性を守る枠組みが十分に整っていなかったことが重なり、Yさんの不安が限界を超えてしまったのだと感じます。

分析とアドバイスは?

就労支援の場では「作業の正確さ」よりも、まず安心して通い続けられることが土台になりますね。利用者同士の指摘が起きやすい環境では、「評価や注意は職員が行う」というルールを言語化し、全体に共有しなければいけません。また、他利用者の言動も“環境要因”として捉え、個別支援計画に反映する視点が大切ですね。Yさんの訴えを早期に可視化できた点を活かし、チームで支援方針を揃えていくことが重要だと思います。