障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
軽度知的障害の方が寂しさからきつく当たる事例
対応者
対応者 ボランティアその他
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
軽度知的障害の方が、寂しさからきつくあたる
2人だけでゆっくり話した結果、利用者の態度が改善された
事前に説明するなど、利用者の性格を理解して信頼関係を築くことが重要
トラブルが起きた背景
Bさんは就労継続支援B型の営業するカフェで働いていました。
私はそこでケーキの商品開発の仕事をしながらBさんや他の利用者さん達と一緒に作業もしていました。
Bさんは私には「先生の作るケーキはキレイ」とか私がレシピの配合で悩んでいる時などは「先生頑張れ、頑張れ」と声をかけるなどとても良い関係を築きながら作業をしてくれていました。
そして私がそこでお仕事をするようになって3か月程した頃、正社員で採用された女性が一人カフェで一緒に働くことになりました。
そうするとBさんの態度が一変してその女性だけにきつく当たるようになったんです。
女性は仕方なくBさんに愛想笑いをして一緒に作業をしていました。
周りはあの手この手を使ってBさんに立場的な事を説明するのですが、しばらくBさんの態度は変わりませんでした。
対応者の中での対応
軽度知的障害のBさんと私で、2人だけの時にゆっくりと話をしました。
私からは「Bさんと一緒にお仕事が出来て嬉しいよ、いつも先生のことを応援してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えました。
その後、「今困っていることはない?」と聞きました。
すると新しく来られた女性の話を切り出して、みんながその女性に気遣っている様子がどうも気に入らなかったみたいです。
自分が仲間はずれにされたみたいで寂しい気持ちになったようです。
私は、お話ししてくれてありがとうと言い彼女を抱きしめました。
そして、「先生は優しいBさんのこと大好きなんだけど一番好きなところは笑顔だよ。
その笑顔を先生だけに見せるのは勿体無いから、これからも沢山の人に素敵な笑顔を見せてあげてね」と話しました。
その後少しずつ、Bさんの彼女に対する態度は改善されていきました。
ゆっくりと話せる時間をとってBさんの心の奥に隠れていた気持ちを引き出せたことが良かった点です。
悪かった点は、商品開発が忙しく、わかっていながらなかなか2人だけの時間を作れずにいたことです。
今後同じ事例が起きた時の対処法
障害をお持ちの方はとてもナイーブな方が多いように見えます。
思い込みが激しいのも特徴かと思います。
毎日利用者さんと接して、その方その方の性格を十分に理解した上で話をしなければなりません。
今回の件は私とBさんの信頼関係が出来上がっていたので問題は解決しましたが、そんな関係性もないままで利用者さんに話をしても上手く意思疎通は出来ないと思います。
普段から利用者さんの毎日の様子を皆で共有することで、問題が起こった時に素早く解決する事が出来ると考えられます。
今回のケースは、カフェに彼女が配属される事を利用者さんに伝えるのが急だったのが原因です。
利用者さんには1か月前くらいから時間をかけて一緒に働く方の説明をするのが良かったかと思います。