障害者施設の事例
施設名: 訪問介護事業所
ADHDの方が病気を理由にスタッフに甘えようとする事例
対応者
対応者 ヘルパー
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
ADHDの方が病気を理由にスタッフに甘え、救急車を呼ぶことになった。
職員に不信感を抱き担当の変更を希望されたため、サービスを断ることになった。
利用者の持病を詳しく把握し、専門家の意見を聞いて対応を考えることが大切。
トラブルが起きた背景
Aさんは、相手が長い言葉で話すと内容が理解できず、混乱してしまうADHDの利用者様でした。
障害の方枠で仕事をしているのですが、転勤してきたばかりなのと自分の身の回りの家事が得意ではなく、また過食症のような症状もあり台所やトイレ等がいつも吐瀉物で汚れていました。
そのため、掃除や食事を作るサービスに入っていました。
本人はあまりお金がなく引っ越してくる前は精神科と皮膚科、乳腺外科に通っていたそうなのですが、慣れない土地でもあったので病院に行けていませんでした。
その為サービスの時はほとんど寝ており毎回オーバードーズで死ねるか聞いてきたり、うつの症状もありました。
私がサービスに入って4回目の日、その日は具合が悪かったようで身体が痛い、病院に行きたいと訴えてきました。
ヘルパーの身なので本当に具合が悪ければ近くの病院に行くようにとケアマネさんに相談して同行サービスができるか聞いてみますとお声をかけるしかできませんでした。
その言葉が突き放されたと感じたのか救急車を呼んでほしいと言われました。
台所にお酒も置いてあり訪問直後は普通にしていたので、見たところ緊急性はないので私は呼ぶことが難しいと伝えました。
すると、自分の要求が通らなかったので怒り始め「あなたは道でこんな状態の人を見ても救急車を呼ばないんですか?人間じゃない。」と散々罵倒されました。
上司に電話してもサービス中なのか繋がらず事務所にかけても判断できる人がいませんでした。
とりあえず利用者様の携帯で119番を押して本人に受け答えをしてもらい説明が難しくなったところで代わりに答えて20分程で来てくれることになりました。
上司も後から現場に来てもらい見守りながら救急隊の方に事情を説明している間、別の救急隊の方が利用者様にヒアリングを行っていました。
やはり緊急性はないような状態だけど本人が病院に行くと決めたので搬送されることになりました。
そして結局湿布を処方されて自分の足で自宅に帰れたようなのでやはり救急車を呼ぶほどのことではありませんでした。
私の対応に不信感を持ってしまったようで事業所を変えたいと言われ、私も散々罵倒されたのでその方のサービスは断ることにしました。
後に私の上司がサービスに入りましたがやはりそういったトラブルも多く、結局また別の場所に引っ越してしまったそうです。
対応者の中での対応
今回のトラブルが起きてしまったのは、利用者様とのコミュニケーションがよく取れていなかったのと本人の病気の状態もしっかりとは伝えられていなかったので情報不足であったと思います。
ケアマネさんも対応に困っていたようで、身の回りのお世話だけ行えば充分に生活できる能力はあると判断されているのに、自分には持病があるから全部家のことはやってもらいたいと甘えてきてしまうそうです。
厳しいことを言えば突き放し、心配の言葉をかけても言葉だけかけられても困る、お金がないからご飯も食べられないのにと遠回しに私のお金で食べ物を買ってきてほしいという始末。
どうしたら円滑にサービスが進んだのか未だにわかりません。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今後このような利用者の方がいた場合、まずできることは利用者様の持病等を詳しく把握し精神面での問題もあるなら専門家の意見も伺い、そこから対応策を練った方が良いと思います。
詳しく理解して何が一番利用者様の助けになれるかを一緒に考えていき、孤立感を与えないようにすることも大事な気がします。
人との関わりが苦手な方でも、いろんな雑談から中には興味、自身のことを話してくれる一面もありました。
根気よくサポートできることはなるべくしてあげられる体制を取れればいいかなと思います。