障害者施設の事例
施設名: 放課後等デイサービス
ASDの方が思い通りにならず他害行為した事例
対応者
対応者 事務職員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
ASDの児童が思い通りにならないことで他害行為をした。
児童を落ち着かせ、ロールプレイで他害を減らすように指導した。
発達障害のある子どもと接するときは、児童の特性に合わせた声がけや行動が必要。
トラブルが起きた背景
O君はASDと軽度の知的障害を持った小学2年生の男の子です。
彼は遊びの中で自分の思い通りにならないことがあると、他児や支援員に攻撃的な態度を示すことがありました。
初めは軽く叩くなどの行為だったのですが、だんだん攻撃がエスカレートして殴りかかってくることも増えたのです。
ある日O君がおもちゃのブロックで遊んでいたところ、他児が声をかけずにO君のおもちゃに触れました。
O君は嫌な顔をすると急に他児を突き飛ばし、すぐに間に入った女性支援員のAさんにもブロックを投げるなどの行動に出ました。
Aさんは「やめなさい。それはダメよ。」と言うだけだったので、O君の行動は改善されません。
別の支援員である男性のKさんが興奮状態にあるO君を抱っこして別の部屋に連れて行き、落ち着きを取り戻すまで付き添ったのです。
Kさんは感情的に怒らずO君が落ち着くまで何も言わず、落ち着いた後に何があったのかを聞きました。
O君は感情を伝えるのが苦手なため絵カードを見せて聞き出すと、ブロックを取られて嫌な気持ちになったと伝えることができました。
Kさんは「一緒に遊ぶのが嫌だったらお友達に『あとで』と伝えよう。」「先生に助けてと言おう。」この2つを伝え、やり取りを練習しました。
同時に、O君が興奮状態にある時には男性の支援員が介入することを他のスタッフと共有しました。
O君と相性が悪い児童と物理的な距離を離す、O君に怪我の元になるおもちゃを与えないなどの対策も取りました。
対応者の中での対応
支援者のAさんは保育士資格は持っているものの、行動を阻止しようとする声がけでO君の他害を止めることはできませんでした。
児童支援員のKさんはO君を落ち着かせることを最優先し、ロールプレイで他害を減らすように指導できたこと、他の職員とO君の現状について状況を全ての職員と共有できた点が良かったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
問題行動に出る時、幼児の場合にはその場をなんとか抑えられることができるかもしれませんが、小学生になってくると体も大きく女性では対応が難しいことも多いです。
他害の傾向にある児童を預かる場合には、必ず男性職員の目の届くところで遊ばせる、児童同士の相性や関係性をよく知っておくなどの対応が必要になります。
もし興奮状態になってしまった時に落ち着くことができる個室のスペースの用意も必要です。
発達障害のあるお子さんには感情的に怒ったり伝えることよりも、児童の特性に合わせた声がけや行動が必要になるということを知っておかなければなりません。