障害者施設の事例

グループホームの利用者が共用部で自慰行為をしていた事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 サービス管理責任者

性別 男性

お相手

対応者

性別 女性

2年前の事、僕の所属するGHは精神障害者がメインですが一部、知的障害の方もおります。

女性に関しては1戸建てタイプのGHですので、お受けするとしても比較的自立度の高い軽度障害者以外は生活のニーズにお応えするのが難しいと思っておりました。

こちらの方は当初、統合失調症の既往しかわからない状態のままお受けしてから療育手帳をお持ちだった事が発覚した方ですが、生活自体に大きな問題はありません。

ですが、年齢が若いとこういう課題も出てくるという事を知りました。

ある日曜日の事。

日中の時間は巡回で対応しておりましたがこの日は支援員を配置できず、僕が直接巡回していたのですが、このホームを11:00頃に訪問した時の事です。

呼び鈴、挨拶に全く応答がないので、リビングに入りバイタル表や引き継ぎ書だけ確認して帰ろうととりあえずホーム内へ上がりました。

ここで見てしまったのがその方が下半身半裸で股を入り口側に向け、ご自分の右手で股間を弄る、いわゆる自慰行為です。

正直なところ、僕自身女性のこのような姿を見るのは公私いずれにしても初めての経験で、しかも在宅していたのはこの方だけだったのですが、おそらく夢中になってしまい僕の声も呼び鈴も全く聞こえなかったのでしょう。

「ごめんなさい!」と慌てて僕は屋外へ出ましたが、これ以上男性の僕には何かをするという事は出来ないので、女性の看護師へ申し送りしました。

女性スタッフから、GHは確かにご自宅であるという認識で構わないが、共有の場は外部から来客があるかもしれない、ホーム内においても他の方も気軽に使えるお部屋にしなければならない事を本人へ助言して頂きました。

よかった点

正直、他のスタッフがどうしても勤務に入れずやむを得ない状況だったとは言え、やはり同性支援は心がけるべきだったと思います。

配置の都合でこういう調整は多々あるのですが、今回は本人にも、共有の場で半裸状態だったのでその点は同じ女性のスタッフから伝えて頂くのは正しかったのではないかと思います。

改善点

障害者とはいえ、年頃の女性であるという認識が僕自身かけていたと大変反省しています。

又、これまではどちらかというと認知症が疑われる事や、GHでの対応の範囲を超えた重度アルコール依存症等、単純に障害の重度化や高齢化による悩みやトラブルが多くありました。

ホーム内でも新規利用者を中心に、利用者の年齢の若返りを図る事も視野に入れて募集案内をかけておりましたが、若ければ若いなりのトラブルやシチュエーションを想定しなければならないという事を自覚しました。

中には障害者のホームや施設で、性的虐待のニュースをよく見かける中で、自分たちの意識は倫理綱領で補っていく事は出来ても、利用者様にはどのように伝えていけば良いのか今後考えていく必要があると思っております。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

グループホームは「自宅としての安心感」が強くなるため、共有スペースであっても自室の延長線上のように感じやすいのですね。
そのため若い利用者ほど性的欲求のコントロールが難しく、周囲の目を意識せずに行動してしまうことにつながったのでしょう。

分析とアドバイスは?

同性スタッフの配置はもちろん大切ですが、それだけでなく「プライベート空間と共有空間の境界」を具体的に学ぶ支援が必要ですね。 例えばソーシャルスキルトレーニングや視覚教材を用い、日常生活のルールを段階的に伝えると良いです。 また性的行動は自然な欲求なので、否定ではなく「適切な場所と方法」を理解できるように支援していくことが大切ですよ。