障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援A型
就労継続支援A型作業(職業)指導員精神障害2級ダウン症
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 男性
お相手
性別 女性
トラブルが起きた背景
Dさんの保育園の職場実習(職種は清掃員)に、実習がスムーズにいくように同行支援を行っていた時のことです。
保育園の教室のベランダをDさんが清掃していたのですが、手すりの部分の清掃をし忘れているところを発見したので、
私は「ここの掃除がまだできていない部分も、忘れずにしっかりお願いしますね。」と指摘しました。
ですが、その指摘を素直に受け入れることができなかったDさんは、明らかに不機嫌そうな表情になり、
ついには「Mさんはもう帰っていいですよ。」とDさんから言われてしまいました。
その時は、「職場実習の同行支援はDさんにとって必要なく感じても、実習させて頂いている保育園からの依頼でもあるので、黙って帰ることはできないんですよ。」と返答しました。
結果、Dさんの不機嫌な様子はおさまらなかったものの、しぶしぶ納得頂いた様子で実習はなんとか継続することができました。
対応者の中での対応
その場で感情的にならず、比較的冷静に対応できた点は良かったと思います。
また、Dさんの気持ちを否定するような言葉を使わずに返答ができたことで、信頼関係に大きな傷跡を残さず、その後も支援を継続することができたことも良かったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
問10で私がDさんに対して返答した内容は、相手を納得させるという意味では間違ってはいなかったと思います。
しかし、Dさんの気持ちに寄り添うものではなかったですし、そもそも「なぜ、掃除のし忘れが発生してしまうのだろう?」という視点が抜けてしまっていました。
掃除のし忘れがあった際に、ただ「ここの掃除を忘れていますよ。」と事実を伝えるのではなく、
ご自身に掃除のし忘れがないかチェックして頂くように促したり、
掃除のし忘れが起こりにくくなるように、チェックシートを準備するようにしたり、
そういった根本的なところから支援を行うようにしていたら、今回のようなトラブルは発生していなかったと思います。
またトラブルが発生した場合も、相手の気持ちに寄り添う姿勢があれば、より信頼関係を強くすることができると思うので、
指摘するべき点は指摘しながらも、相手の気持ちにも寄り添った一言を付け加えるなど、工夫をすると良いと思います。