障害者施設の事例
施設名: 自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活訓練)ヘルパーうつ病
対応者
対応者 ヘルパー
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
トラブルが起きた背景
通所施設に通っているHさんは住み慣れた地域から引っ越してきて、新たに通所するようになったまだ支援学校を卒業して3年目の若い利用者さんです。通所開始時は引っ越しから間もないということもあり、家でも外でもまだ落ち着かない様子だと保護者様からお話をうかがっていました。そして落ち着かないとお水やお茶をやたらと飲む多飲症の症状がありました。持参する1.5Lの水筒のお茶をどんどん飲んでしまい、さらに500mlのペットボトルも予備で持たせてくれているので、飲みすぎで排尿が頻繁になり排泄に失敗してしまうことが1日に何度もありました、お茶も午前中にはなくなってしまいその後「お茶ください」と言って満足にもらえないと不穏になるという毎日でした。また排尿が近くなるだけではなく、冷たいものの飲みすぎでお腹を壊してしまうこともあり改善しなくてはいけないケースでした。Hさんは自閉症に特徴的な決まりごとが好きで真面目な性格でもあるのでその特徴を生かし、まずはお茶の量を決めるということから始めました。小さめで計量カップのようにメモリのついたコップを用意し、100mlの線のところまでお茶を入れて飲むということを教えると律義に守って飲んでくれました。少ないので最初は10分後にはまた「お茶」と催促してきましたが徐々に時間を延ばし、時計で30分に1回ということに決めるとだんだんと納得してくれるようになりました。その後30分に1回100ml飲むようになると1.5Lの水筒で間に合うようになり、飲みすぎて漏らしてしまうこともなくなりました。
対応者の中での対応
多飲防止のだけに水筒を取り上げてしまうのではなく「決まり事を守るのが得意」という性格を生かした支援ができたことがよかったと思っています。
今後同じ事例が起きた時の対処法
通所し始めたばかりということもあり、お母様と面談をしたときに多飲症について細かくお話をして下さったので、職員全員で落ち着いて対処することができました。このケースではお茶を入れる量を決めることと、時計がある程度わかる方だったので時間も決めることでうまくいきました。ただ場合によっては多飲症で血中のナトリウム値が低下してしまい症状がでることもあるので、なかなか対策が難しい場合は医師に相談してみることも大事だと思います。