障害者施設の事例
施設名: 生活介護
知的障害の利用者が女性に対して他害をした事例
対応者
対応者 サービス管理責任者
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
知的障害の利用者が、女性に対して髪引き行為やひっかきなどの他害をした。
男性職員の介入を求めて他害をしている可能性があったため、男性職員の介入を無くして他害に耐えた。
利用者が何を伝えたいのだろうと言語化して推測でも理解する気持ちが大切。
トラブルが起きた背景
Kさんは体幹機能障害、自閉症、知的障害を持つ重度障がい者です。
発語はなく、他害が多い方でしたが、特に女性に対しての髪引き行為とつねり、引っ掻きが多く見られました。
施設内で男性職員しか送迎にいけないや関われないとなっていましたが、女性ターゲットなのでお母様もお困りだったため私が支援に入ることになり、送迎中にひどく他害をもらい、警察に通報されるということがありました。
重度障害者であることと、私たちは支援員なので力で抑え込むと虐待となるため、回避しながら付き合わなければならないので承知の上だということを伝え、その場は何とか収まりましたが、女性でも対応できるようになることは皆無かと思われていました。
すぐに髪を引っ張られ暴れて蹴られたり、引っかかれたりとしましたが、あまりのやられように男性職員が止めに入るとスっと力が抜けるのです。
そこで、もしかすると男性職員に止められることを分かってやっているのではと思い、負けそうになりながらも他害をかわしながら髪を引っ張られても反応せず男性職員の介入を一切なくし無視をしてもらいました。
かなり痛かったですし、忍耐力が必要でした。
2時間半髪を掴まれたままKさんが諦めるのを待っていましたが、4日間かかりました。
発語のない方でしたが、こちらの言っている言葉の理解はある方でしたので、髪を引っ張られても、暴れても、「男性職員は来ないですよ。手を離したら読んできてあげる。」と言い聞かせ、徐々に他害の時間が減り、そのタイミングで髪を引っ張る行為をトントンと肩を叩く行為に置きかえました。
結果2ヶ月かかりましたが、今では女性は甘えられる、話を聞いてくれる、かまってくれるという立場になったようでどの女性が対応しても他害は一切なくなりました。
対応者の中での対応
どの女性が対応しても他害が無くなった点は良かったです。
しかし、私のやり方では結構な被害がきます。
女性であっても傷がつきますし、痛いです。
かなりの痛みに長時間耐える忍耐力が必要なので、本気で挑まないといけませんし、途中で折れてしまうとさらに女性に対して、思い通りにできる、だから暴れようという誤学習を招きかねません。
なので、古風なやり方ではなく、男性と女性との職員のペアで落ち着いている時にプラスの関わりをしながら髪ひき行為をしなくても良い関係性を築くことも出来たと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
障がい者はみんな純粋に生きているので、伝え方が分からない点を抑え、何を伝えたいのだろう、何を言いたいのだろうと言語化して推測でも理解する気持ちが大切です。
寄り添いながら本人の好きな物や興味を引くものを使って折り合いをつけたり、置き換えができたりすると思います。