障害者施設の事例

施設名: 共同生活援助(グループホーム)

共同生活援助(グループホーム)ケースワーカー中度知的障害統合失調症

対応者

対応者

対応者 ケースワーカー

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Sさんは普段はとても大人しく、一人で散歩をしたりお気に入りの雑誌を見ることが好きな方でした。施設のルールについても、きちんと把握していることに関しては守って下さっていました。知的障害があるのでどうしても理解できないことはありましたが、大きな問題行動等はなく施設生活を送られていました。
そんなSさんですが、ある時期から日中外部の作業所に通所することになりました。体験利用を重ねSさんも利用を希望されたので、負担のないように週に3日から開始しました。
作業所開始から1ヶ月ほどたったころ、施設内にある共用物である音楽プレーヤーがなくなる事件が起こりました。その音楽プレーヤーは結果的にSさんが自室に持ち帰っていたのですが、事情をよくよく聞くと、夜間に落ち着かずに眠れず音楽プレーヤーのボタンを押し続けていたと言うのです。
さらによく聞くと、作業所が3日続けてあることが負担だったことが分かりました。その後すぐに作業所とSさんと話し合い、休みの日をはさみながらの通所にしたところ、Sさんが音楽プレーヤーを部屋に持ち帰ることはなくなりました。自身の状態を言葉にすることが難しい障害者の方の支援ではストレスを適切に表現できず、行動で表してしまうことがあるということを知っておかなければいけないと学んだ事例でした。

対応者の中での対応

悪かった点としては、Sさんが作業所を開始する時に決めた通所頻度について、定期的に見直すことができなかったことです。
最初に3日連続で通うということを希望されていたとしても、実際にやってみてどうだったかということを定期的に確認すべきだったなと思います。
また、作業所に行くということはSさんにとっては仕事をすることと同じことになります。自立に向けた喜びもあれば不安やストレスもあって当然です。作業所を始める時にストレス解消についても一緒に検討しておくと良かったなと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

誰でもそうだと思いますが、新しいことを始める時は嬉しさと緊張があります。
作業所に通うのが初めての方は特に緊張したり、疲れがたまってしまったりということがあります。まずはそこを理解しておくと、障害者の方への声かけが良いものになると思います。また、疲れた時の対処法などもしっかり確認しておくと安心です。
そして、障害者の方が施設のルールを守らなかったりした場合の対応も、感情的にならずにできると良いと思います。
まずルールが理解できずにやったことなのか、理解できていたが違反してしまったのかで対応も異なります。前者の場合は伝え方に工夫をする必要がありますし、後者の場合は何かしら理由があるはずなので丁寧に理由について聞き取り、解決に向けて手伝いたいことを伝えると良いのではないでしょうか。

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