障害者施設の事例

施設名: 自立訓練(機能訓練)

自立訓練(機能訓練)理学療法士脳病変障害

対応者

対応者

対応者 理学療法士

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Sさんは事故による頭部外傷後の高次脳機能障害がある方でした。記憶障害が主症状であり、麻痺などはなく過ごされていました。事故の記憶は全くといっていいくらいなく、家族や友人からの情報をもとに自身の状況をとらえているという状態でした。自身のことがはっきりとわからないといった不安を話され、利用開始当初は特に気分のムラが目立っていました。
トラブルはまだSさんが施設に通所を初めて1ヶ月くらい経過してからおきました。施設では朝のルーティンとして、到着後にバイタル測定などを行うことになっていました。最初は職員がつきっきりで行ってもらっていましたが、数回やったところでSさんから「わかったからもう大丈夫」ということを言われたのでお任せすることになりました。
しかし、やり忘れてしまうことがあり職員側からも声掛けを行っていましたが、その声掛けにいら立って怒り出してしまいました。その際暴言なども聞かれたため、若い職員が泣き出してしまうといった大事になってしまいました。
職員間で会議を開き、リハ担当からSさんの評価結果や状態を説明し解決策を検討することになりました。私(Ⅿ)は記憶面とコミュニケーション面の評価結果を伝え、Sさんは記憶障害の自覚が薄いことを職員に周知した。言語理解は問題ないため、説明内容は理解しているが記憶として留めておけないという点を職員にも理解してもらうように説明を行った。チェックリストなどを準備してはどうかと提案。
しかし、Sさんの性格上は他と違う対応をされていることを気にすることが懸念されるため、その点をどう解決すればよいか他の人へもアドバイスを求めた。他のスタッフから全員にお願いしている体で数か所にチェックリストを掲示できないかとの意見があり、その案が採用され、朝のルーティンを箇条書きにしたファイルを用意することになった。
その後、新しく通所開始する人が来るタイミングで「新しい人のために用意した」という名目でファイルを各テーブルに設置。Sさんも眺めながら行動できるようになり、以前のようにやり忘れてしまうことはほどんどなくなっていきました。

対応者の中での対応

Sさんの症状を他のスタッフに分かりやすく説明し、障害により起きていることであることを理解してもらえるように努めたこと。
本人の障害特性に合わせた解決策の提案ができ、不十分な点は他のスタッフの意見を求めて解消することができた。ご本人の性格なども考慮しつつ合理的配慮が行えてよかったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

高次脳機能障害の方は自身の障害について捉え切れていない場合が多いです。
昨日できたことが今日はできないということもあります。それは障害による後遺症の影響のため、その方はわざとやっているわけではないし、イライラをうまくコントロールできずに爆発的に怒ったりしてしまうだけであることを理解して欲しいと思っています。
忘れているからと言って頻繁に声をかけられ過ぎたら、自分だったイライラするかもしれないです。忘れてしまうからと何を言ってもいいわけではないことを支援側が十分に理解していなければいけないと思います。
スタンダードな対応はいろいろとありますが、障害像とご本人の性格なども考慮したうえで問題の対応策を考えていくことが、利用者さんにとっての利益につながるのではないかと思います。

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