障害者施設の事例

施設名: 自立生活援助

自立生活援助ヘルパー身体障害四肢麻痺

対応者

対応者

対応者 ヘルパー

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Mさんは高校生の頃、プールに飛び込んだ際に頸椎を損傷し身体障害となりました。
一人暮らしをしたいという本人の意向で、ヘルパーの支援を受けながらサービス付き高齢者向け住宅で高齢者の方と一緒に生活をされています。
基本的にヘルパーは1日3回、簡単な日常生活の支援で訪問します。入浴は訪問入浴サービスを使われているため、身体介助にはあまり介入しません。
ある日、60代女性ヘルパーFさんが訪問した際にMさんが「こっちへ来てください。手を握ってください。1分でも良いので時間のある時に話を聞いてください。」このようなことを言われました。
Fさんはこれに対し「業務外のことは致しかねます」と言って去った後「Mさんからセクハラを受けた」と報告。
ヘルパー主任が後日、Mさんの元へ謝罪を要求しに行ったことで解決しました。しかしこれはセクハラでしょうか?Mさんは普段、自身の居室で1人でいることが多いです。誰かに少し話を聞いてもらいたかった。ただそれだけではないでしょうか?ヘルパーは「Mさんは若い人が好きだから気をつけて」と注意喚起をしていますが、60代のヘルパーなので若い人が好きとは言い難いです。

対応者の中での対応

今回の件は謝罪を要求しそれで解決したと言われています。
しかし本人にとってはどうでしょうか?人の手を握ることができないMさんから、ヘルパーの手を掴みに行くことはありません。
手を握りながら時間のある時に話を聞いてもらいたい。Mさんのささやかな願いも叶えられなかったことが私にとっては心残りです。
業務外のことといっても、生活相談や世間話を聞くぐらいなら訪問時間内に済ませられます。融通を利かせられなかったことが良くなかったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

「障害」と一言でいっても、症状は多種多様です。
精神障害、知的障害のある人は身体が自由に動く人が多いですが、Mさんの場合は自分で自由に動くことに制限がある人です。
もしMさんに性的なことを求められたとしても、ヘルパーが走って逃げれば充分逃げることは可能ですしMさんが追いかけてくることはありません。今回「セクハラ」として捉えられたMさんの言動も、セクハラというよりは話を聞いてもらいたかっただけのように思います。
障害の有無に関係なくすべて「セクハラ」だと言って否定してしまうのではなく、本人がどうしたいのかというところに視点を変え、1人の人間としての尊厳を最低限わきまえていきたいと思いました。
今回被害を受けたと主張していたヘルパーも、仕事上大事な「障害について」を改めて勉強し直してもらいたいなと思います。

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