障害者施設の事例
施設名: 就労移行支援
就労移行支援ヘルパー中度知的障害注意欠如・多動症(ADHD)
対応者
対応者 ヘルパー
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
トラブルが起きた背景
Mさんは障害児施設で小さい頃から暮らされていて、成人になってから家庭に戻って生活されており、その施設で知り合っていた女性と結婚し子どもも二人いますが、家事や育児などはMさんの母親が全てされています。上の子は下の子が生まれる際に世話をしきれないからと児童養護施設に預けられました。
しかし下の子が幼稚園に入るタイミングになってもMさんは上の子を一向に引き取ろうとせず、児童相談センター等も介入して上の子が家庭復帰を希望していることもあって家庭に帰ってきました。
初めは、Mさんもご自身なりに関わり方を考えたりしていたようですが、いかんせん自己中心的な方で知的な低さもあって、子どもさんのレベルに合わせて話をしたりすることができていなかったようです。Mさんと自分が会話をする中で気に入らないことがあると暴言だけではなく暴力があることが分かりました。
まずは所内でカンファレンスをしましたが、上司たちはMさんとの関係性が壊れることを恐れて児童虐待の通告をすることにためらっていました。しかしもしこれが事件になり、施設は暴力があったことを知っていたことが分かれば大問題なので上司を説得して、関係機関でカンファレンスを行い、学校からも虐待を疑われるような状態があったので子ども二人は緊急で保護されました。
もちろんMさんは当初は怒り狂っていましたが徐々に落ち着き、自分たちには二人の育児をするのは今の段階では難しいと認めるところまでたどり着きました。
対応者の中での対応
良かった点としては、子どもへの暴力についての発言があった時点ですぐに上司に報告したこと、渋る上司を説き伏せてカンファレンスを行ったことです。
短期的にMさんは辛い目にあいましたが、長期的に見れば家族のためになったと思う。
今後同じ事例が起きた時の対処法
これまでは障害を持つ人は一生施設で、あるいはその子どもは児童養護施設などで暮らすということが一般的でしたが、時代は変わって地域で見守っていくことが推奨されています。
しかしそれにはリスクも伴いますし、残念ながら施設長等の経験年数が長い方はリスクとともに考え方が古い人もいて、他機関との連携等にも消極的な人がいるのは事実です。
我々の仕事は生活をサポートしてよりよい生活を送ってもらうためで何が「よい生活」なのかを常に吟味していかなければいけません。
今回のケースで言えば、結果だけを見れば障害のある方の家庭に子どもが帰ってきて暴力を受けて施設に戻ったということになりますが、それが悪かったかと言うとそうではありません。子どもが家に帰りたいと思っていたこと、親も帰って来ても良いと思ったこともその時は事実であり、その思いに寄り添って行動し、うまくいかなければ修正することをお手伝いするのが我々の仕事だと思います。
うまくいかなかったことについては、それはダメだということを明確にしてそこから一緒にやり直すことが大切だと思います。