障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
就労継続支援B型作業(職業)指導員中度知的障害自閉スペクトラム症(ASD)
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 男性
お相手
性別 男性
トラブルが起きた背景
就労継続支援B型事業所の利用者Hさんは、中程度の知的障害と自閉症の診断を受けています。
基本的には話しかけられると穏やかですが、自発的に他者とのコミュニケーションを取ることは少なく、独語と稀にフラッシュバックが起きているのか突然、誰かに対して「ばかやろー」と言って作業中に席を離れることがあり、事業所内を一周すると一周すると落ち着いて席に戻ることができます。
Hさんと一緒にポスティングの作業に取り組んでいたところ、アパートの集合ポストにチラシを入れていたところ職員Mはアパートの管理人に何者かと声をかけられ、自分たちの所属などを説明し振り返るとHさんがいなくなってしまうトラブルが起きました。発生原因は管理人と話している間に目を離したこと、Hさんに「一緒に管理人と話をしよう」と伝えなかったことでした。
周囲を探しましたが、Hさんの姿はなく携帯電話を持っていないHさんとは連絡手段がなかっため、事業所へ連絡を連絡を入れた上でHさんを探しました。
事業所では保護者に連絡をしてHさんがいきそうな場所の特徴を聞きとり、応援が駆けつけることになりました。
職員Mはきた道を辿りながらHさんを探しましたが、建物付近にはおらず近くのコンビニや公園のベンチやトイレなどを探しましたがHさんは見つかりませんでした。ポスティングのエリアには車で来ていたため車に戻ってみるとHさんが車の横で座って待っていました。
Hさんに表情はありませんでした。戻ってしまった理由を尋ねてみましたが明確な返答はなく、原因は特定できませんでした。ポスティング作業中かなり歩いていたので疲労があったと考えられ事業所に戻りたい意思表示だったのしれませんでした。職員Mが管理人と話している間のことを伝えていなかったこと謝罪し、事業所に戻りました。
対応者の中での対応
姿が見えなくなった時には焦ってしまい闇雲にHさんを探していましたが、途中で落ち着き事業所に連絡し対応を検討できたことは良かったです。
しかし、管理人と話していた時に、目を離していたこと、Hさんが「不慣れな場所で1人でいなくなるはずがない」という油断が招いたトラブルだと感じました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
ポスティング作業は住宅街の死角が多い場所での作業となるため、目を離さないこと、今回の事案のようにやむを得ずポスティング作業を中断する場合は、一緒に作業している方に待っていてもらうのか、その場合は待ってもらう場所を具体的に伝える、基本的には視界から離れないことを心がけたいと思います。
ポスティング作業に限らず施設外の作業は自動車などをはじめ危険を伴う場合もあるため危機管理を徹底するべきであると感じました。
また、Hさんのように自ら意思を表出されない方への配慮として「大丈夫だろう」など絶対に油断しないこと、疲労感をはじめとした様子の変化への配慮をしながら作業に臨むが必要であると感じました。