障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援A型
利用者が職員に好かれていると思い込み自宅に訪問した事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が怪我の処置をした職員に好かれていると思い込み、後をつけて自宅に訪問してしまった。
所長も含めて話し合いの場を設け、二度と起きないよう指導を徹底した。
妄想と現実が異なっている場合にはきちんと注意する。職員の個人情報をさらさない。
トラブルが起きた背景
利用者のHさんは、妄想が酷く、「女性はみんな、自分に好意をもっている」と思い込み、自分はモテると勘違いしています。
周りに見てもらいたいが為に、髪を赤や緑、金髪と染めて事業所に来る方で、注意をしても治らず、改善してもらうのに時間がかかりました。
そんなHさんは作業中に職員の指示を守らず、ケガをしてしまいました。
その時に手当をしてくれたSさんに好意をもち、「あんなに優しく僕に接してくれるって事は好きに違いない。」と勘違いをしてしまいました。
事務所に無断で入り、職員の携帯番号が張り出されている表から、Sさんの携帯番号を探し、勝手に登録。
Sさんに電話をし、自分がどれだけ好意をもっているか伝えたそうです。
これに怒ったSさんは、すぐに上司に報告しました。
Sさんは謝罪しましたが、諦めきれなかったHさんはバイクで帰宅するSさんの車の跡をつけ自宅を特定し、自宅に訪ねてしまい、玄関で対応した旦那さんが激怒。
すぐにHさんの相談員とお母さん、事業所の所長とサビ管が集まり、Hさん、Sさん、Sさんの旦那さんで話し合いの場が設けられました。
Hさんのお母さんは、激怒する旦那さんに「申し訳ございません…」とひたすら謝っていたそうです。
話し合いでHさんは旦那さんの気迫にビクビクし、反省していたそうです。
次に、同じ事が起こった場合は警察を呼ぶこと、Hさんに事業所を辞めさせるという条件を旦那さんは出し、お母さんが承諾。
所長やサビ管は、二度と起きないように指導を徹底するということになりました。
対応者の中での対応
すぐに集合できて話し合いが出来た事は良かったです。
サビ管だけではなく、所長までが来られていたことに、旦那さんも信頼してくれました。
Hさんも所長に頭が上がらない為、「絶対に行ってはいけない事」だということが身に染みて分かったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
妄想が行き過ぎてしまう利用者さんは、少なからず居ると思います。妄想と現実を注意できる時は注意すべきです。
また、事務所だからといって携帯番号を貼り出していたのは、良くなかったという事で取り外されました。
やはり、少しでも利用者さんの目につく可能性のある所に、利用者情報や職員情報を記したものを置くことは危険だし、行ってはいけません。
今回と同じような事が起こった場合、上の責任者を出すと、相手側も「ここまで考えてくれている」と思うでしょうし、信頼も得られると思います。