障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
作業の休憩時間に利用者の体調がひどく悪化した事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が作業の休憩時間に不安定になり、座っていられず過呼吸になり涙を流してしまった。
冷静に声をかけて休憩してもらい、約1時間後には落ちついて貰うことが出来た。
利用者がコミニュケーションの対象を広げていけるように支援することが重要。
トラブルが起きた背景
精神障がい者の共同作業所で、作業の休憩時間にYさんが調子を崩されました。
急に感情が不安定になり頭痛と吐き気がするということなので、職員Uが対応して休憩室で休んでもらうようにしました。(座っているのも辛そうなので簡易ベッドで休んで貰いました)
Yさんについては鬱病を抱えておられることと、幼少期から「両親に愛されていなかった」という感覚があることを職員は把握していました。
その日も家にいて両親と過ごすことが辛いので共同作業所に来て作業をされていたのです。
Yさんの病歴や悩みについてある程度は職員は把握していたものの、詳細について把握できていませんでした。
緊張する場面では手が震えるというYさんの症状は本人から聞いていました。
しかしその日に陥ったような「その場に座ってもいられず、過呼吸になりポロポロと涙を流す」という症状までは想定していなかったのです。
それまではYさんが共同作業所内で大きく調子を崩されたことがなかったので、その日に初めてYさんの急な精神状態の乱れを見て職員も一瞬は戸惑いました。
しかし個人面談でYさんを担当していた職員Uがその場で冷静に声をかけて休憩してもらい、約1時間後には落ちついて貰うことが出来ました。
対応者の中での対応
職員Uは、日頃から利用者全員の一人一人に優しく声をかけていました。
また努力家なので日々、精神分野の勉強をされていました。
ですから過呼吸を伴うYさんの激しい症状を見ても冷静に声をかけて、落ち着いて貰える対応ができたのだと思います。
そして想定が甘かったことを反省し、日を改めてYさんの悩みを聞くなどのフォローを行った点も良かったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
職員Uは努力家で精神分野の勉強もしっかりされていました。
今回の件でも、その場での対応に問題は無かったと思われます。
ただ、利用者と一対一の関係を取る傾向がありましたので、もう少しYさんが職員や他の利用者とも話したり、相談を出来るような方向でケアしても良かったように思います。
Yさんは1年間ほど共同作業所に通われていましたが、その間に職員U以外の人と話す機会をほとんど持てていなかったからです。
共同作業所は利用者が社会参加し、職員や他の利用者と交流することでコミュニケーションを練習する場でもあると思います。
そういう観点からマンツーマンの関係が必要な時以外は、基本的にコミュニケーションの対象を広げていけるように応援することも必要に思います。