障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
就労継続支援B型作業(職業)指導員精神障害2級うつ病
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者Gさんに個別面談の時に、自身の鬱病や対人関係の辛さ、母親との関係について、悩みを打ち明けられた。
母親の過干渉がGさんを苦しめているようだったので、私が母親に直接、「Gさんが楽になれるような母子関係、コミニュケーション」をお願いした。
私は基本的に、利用者から訴えがあったことについては改善に動くスタンスで働いていました。
今回のGさんのケースでは親子関係の改善をしてもらうことは難しいと分かっていましたが、そこさえGさんの母に改善していただければGさんが楽になるという確信がありましたので動いた次第です。
職員が改善のために動く時には もちろん失敗の可能性もありますので。行動する時には必ず事前に他の職員とも話し合い、協力を求めておく方が良いと思います。
今回のケースでは私は職員には時間をかけて相談をしていたのですが。Gさんのご両親とは多くの時間をかけて話を聞いたりは出来ていませんでした。
もう少し時間をかけて改善を試みても良かったのかも知れません。
トラブルが起きた背景
精神障害者共同作業所で、職員の私が利用者Gさんと個別面談の時に悩みを打ち明けられました。
Gさんの悩みとはご本人の鬱病や対人関係の辛さについての話でした。
中学生の頃にイジメや不登校を体験して、その後に鬱病の診断も受けて辛かったという体験談でした。アルバイトを試みても対人恐怖症があり、なかなか上手く働くことが出来なかったとの事でした。
Gさんは、いつもニコニコ静かに笑って過ごされているので一見、重い悩みなど無さそうなのですが、周りに与える印象よりも悩みは深刻だと私は感じました。その理由は Gさんの心の病を引き起こしている原因がGさんの母親にあったからです。
Gさんのご両親は学校の教師で、教育熱心な環境でGさんは育てられたのです。
教育熱心な環境が全て悪い訳ではないと思うのですが、Gさんの母親は過保護なのでその言動がGさんを苦しめているのは明らかでした。
Gさんの母親が、かなり過保護な状態であることはGさん本人からも確認しましたし、共同作業所で利用者とその保護者も参加するイベントの時に職員やボランティアの人たちもその姿を確認していました。
例えば《Gさんが他の利用者と楽しく話したい時にも常に母親が横にいる》というような状況がありました。
母子間でのいわゆる依存の状態が見て取れたので、私からGさんの母に説明をしてその依存の関係、過保護状態の改善を促しました。
先に書いたようにGさんの母は教育者で教育論や子育て論では反感や反論が返ってくるだけですので。出来るだけ遠回しな表現で、時間をかけて《Gさんが楽になれるような母子関係、コミュニケーション》をお願いしました。
対応者の中での対応
利用者の精神状態の悪化の原因がその家族関係(特に親子関係)にあることは利用者との面談や日頃のお付き合いの中で、よく感じたことです。
もちろん利用者のご両親に悪気はないのですが、我が子が可愛いあまりに過保護であったり、依存の関係を築くケースは多々あります。
その関係の改善を求めるのは難しく、共同作業所の職員として深くは踏み込めない感じがあるのですが。今回のGさんのケースは、ご本人からの訴えがあったこと、そして過保護の状態があまりに酷かったことで私が決意して母親にお声かけをしました。
Gさんの母は教育者ということもあり、またプライドの高い人でもありましたので、反論される場面もあったのですが、最終的には過保護状態は和らぎ、Gさんも「楽になった」と後に喜んでくださったので。私が改善のために動いたのは良かったのかも知れません。
今後同じ事例が起きた時の対処法
私は基本的に、利用者から訴えがあったことについては改善に動くスタンスで働いていました。
今回のGさんのケースでは親子関係の改善をしてもらうことは難しいと分かっていましたが、そこさえGさんの母に改善していただければGさんが楽になるという確信がありましたので動いた次第です。
職員が改善のために動く時にはもちろん失敗の可能性もありますので。行動する時には必ず事前に他の職員とも話し合い、協力を求めておく方が良いと思います。
今回のケースでは私は職員には時間をかけて相談をしていたのですが。Gさんのご両親とは多くの時間をかけて話を聞いたりは出来ていませんでした。
もう少し時間をかけて改善を試みても良かったのかも知れません。