障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
自閉スペクトラム症の方が他害する事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
自閉スペクトラム症の方が他者の大声に驚き他害をしてしまった。
他職員が気付き、すぐに引き離した。
他害をする利用者であっても、敬意を持って接すること、その上で他害をさせない仕組みづくりが重要。
トラブルが起きた背景
Dさんは自閉スペクトラム症があるのですが、Dさんの母親はどうしてもDさんの障害を受け入れられず、Dさんが自分の思い通りに動かないと頭を叩いたり腕や手のひらをつねったりしていました。
そのためDさんは自分の手の届く範囲に人に立たれることを嫌い、近づくと家族・職員・他の利用者さん問わず他害をしてしまいます。
そこで私を含めた職員も常に少し離れたところから声をかけたり、どうしても近づく必要がある時はDさんのお気に入りの大きな犬のぬいぐるみを抱いてもらいその間に近寄ってお世話をしていました。(そうすると安心するのか他害しないので)
しかしある時、近くでお世話をしていると(粗相をされたので着替えを手伝っていた)別の自閉スペクトラム症をお持ちの利用者さんがパニックを起こしてしまい大きな声で叫びました。
それに驚いたDさんが暴れ、爪でまぶたを引っ搔いた上、頬をつねってしまいました。
幸い別の職員がすぐに気がついて、私とDさんを引き離してくれたので頬は痣で済みましたが、まぶたはざっくり切れてしまい結局縫うことになりました。
対策をしているつもりでしたが予想外のアクシデントがあると事故は起こるので、気をつけたいです。
対応者の中での対応
もともと他害傾向が強く、対応する際は注意が必要な利用者さんだったのでぬいぐるみを抱かせるなど対応はしていたのですが、やはり不測の事態は起こり得るので出来るだけ複数名で対応に当たれば良かったと思いました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
自閉スペクトラム症の方はこだわりが強い場合が多く、また他害をしてしまう方もおられます。
しかし不用意に怖がりすぎず、相手も感情を持った一人の人間であることを忘れずに敬意を持って接すること、その上で他害をさせない仕組みづくりを構築する必要があると思います。
今回の例であれば、パーソナルスペースへのこだわりがあり他害傾向の強い利用者さんの介助をする場合はできるだけ複数名で行い、静かで落ち着ける場所を確保するなど改善策を職員全員で検討、周知することが大切だと思います。