障害者施設の事例
施設名: 共同生活援助(グループホーム)
自閉スペクトラム症の方が紙の素材にこだわる事例
対応者
対応者 社会福祉士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
自閉症の方が紙の素材にこだわり、作業に使う材料の箱を破いてしまう。
業者に連絡し、材料をプラスチック製の箱に入れてもらうようにした。
なぜその素材にこだわるのかを理解し、代替案を提示して利用者の納得を得ることが大切。
トラブルが起きた背景
Iさんは自閉スペクトラム症をお持ちで紙の素材に対して非常にこだわりが強い方です。
特に箱の素材に強いこだわりを示しており、ティッシュ箱や材料が入った箱を見かけると底を丁寧に破ってはそれを自分のものにしてしまいます。
Iさんのいる部署では建築材料を扱う作業が行われており、様々な種類の材料が毎日運び込まれます。
しかし、Iさんが気づいていない隙に材料の入れ替えをすることに支援者は追われていました。
気づかれると問答無用で箱の底を破られてしまい材料がこぼれて欠品になったことがあったので、支援者も気が気ではありません。
担当支援員のTさんは業者へ連絡し、材料を事業所が用意したプラスチック製の箱に入れてもらうように依頼しました。
そして、部屋のあらゆる箱をプラスチック製に変えてIさんの興味から逸らしました。
これらの対応によりIさんと上手に付き合うことができています。
対応者の中での対応
良かった点は、事業所内だけでの解決が難しかったのでしっかりと周りに協力を仰ぐことができた点です。
こだわっている素材を変えて対応したことが素晴らしいと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
なぜその素材にこだわるのか、どのような意味を持つのかを理解することが重要です。
また、こだわっている素材と同等の機能や質感を持つ代替案を提示することで利用者様の納得を得やすくなります。
利用者様への対応は一人で抱え込まずに周囲の協力を得ることが大切です。
必要に応じて医師や心理士などの専門家の意見を参考にすることも有効です。
今回の事例は利用者様のこだわりと向き合うことの難しさを示しています。
しかし周囲の理解と協力を得ることでより良い対応が可能になると考えられます。