障害者施設の事例
施設名: その他
重度知的障害の方がパニックを起こした事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
重度知的障害の方がいつもと違う様子にパニックを起こした。
すぐに男性職員を呼び、静かな部屋に移動させてクールダウンできた。
安全を優先し、対応できる職員に助けを求めることが重要。
トラブルが起きた背景
Tさんは毎日朝に来所して、夕方に帰って行く重度知的障害の方でした。
ルーティンが崩れるとパニックを起こす方で、体もとても大きい方でした。
知的障害の方たちは力の加減ができないため、パニックになった時などは周囲に危険が及ぶくらいの行動をすることがあります。
私たちの施設は2階が高校生以上の成人の生活指導、1階は未就園の子供たちの通所施設となっていました。
その日は、2階の広間へ子供たちが行事のために移動をする日でした。
子供たちがぞろぞろと2階へきたため、そのTさんはいつもと違うことにパニックを起こしてしまいました。
Tさんは子供たちがいる広場へと突進してきて、ドアを開けようと体当たりを始めました。
対応していたSさんは女性の職員のため対応が困難でした。
安全面からドアを開けるわけには行きません。
すぐに常勤の男性職員が3~4名対応に入ってくれました。
子供と違い、パニックになってしまっている大人のクールダウンには時間がかかります。
力づくでそこから移動をし、彼が落ち着ける真っ暗な部屋に行くことでクールダウンすることができ、30分後にはいつも通りニコニコとした笑顔で過ごしていました。
対応者の中での対応
その時に対応していたのは女性だったのですが、すぐに男性職員を呼んで対応を依頼したのは良かったと思います。
本当は力づくで移動をさせることは利用者のためにはなりませんが、まずは安全を確保することが大切です。
自分の力では敵わないと判断し、対応できる職員に報告することはこういった施設では重要になるかと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
利用者のためを考えると、なんとか言葉や視覚支援などでクールダウンを促すことが1番ですが、緊急の時には力で対応することも必要になります。
もちろんそれは本人や周りの利用者を守るためです。
よく専門家の先生たちからも言われていたのは「命の危険につながる場合は手段を選ばず行動しなさい」ということです。
特に女性の力では、知的障害を持つ男性利用者の力に対抗することは不可能です。
適材適所で、対応できる職員に助けを求めることはとても重要になってきます。
自分1人で解決しようとせず必ず周りの人に助けを求めてください。