障害者施設の事例
施設名: 就労移行支援
統合失調症の方が盗撮されたと思い込んだ事例
対応者
対応者 精神保健福祉士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
統合失調症の方が盗撮されたと思い込み、警察に通報してしまった。
説得して落ち着いてもらえたが、被害者は怒って去っていった。
服薬ができていない人はまだ就労の準備ができていないとみなし、入所を急がないことが重要。
トラブルが起きた背景
Iさんは服薬をされていない統合失調症の方で、妄想がよく出てくる方でした。
ある日、就労移行支援事業所の前に止まっていた車の中の人がIさんを盗撮したと言い独断で警察を呼んでしまいました。
車の中の人は車で仮眠を取っていただけだったのですが、警察が来て大騒ぎになり携帯の中身を警察から調べられました。
写真の中にはIさんの写真は一つもなく相手の男性は怒って車で去って行きました。
私は責任者として警察にIさんが妄想で盗撮したと言っている可能性があることを伝え、その上でIさんも相談室に呼んで話しました。
そういう時は警察を呼ぶ前に職員に言ってほしいと伝えて何とか本人の気持ちを鎮めました。
対応者の中での対応
良かった点は、他の利用者さんに一連の出来事が広まらずに済んだことと、何とか説得してIさんが落ち着いてくれたことです。
悪かった点は、私たちの管理下ではない駐車場で、車の所有者が妄想の被害に遭われたことです。
Iさんのトラブルは一度ではなく、今後も他の会社の方にご迷惑をおかけするおそれがあり、契約書にも暴言等を言うことで退所になることも明記されていました。
スタッフで話し合った結果、Iさんは退所させることが妥当だろうという結論に至りました。
私たち職員の間で何とか治療の場に連れて行きたかったのですが、それは困難でした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
まずは服薬をきちんとしていない利用者は就労移行支援事業所の対象ではないと割り切り、受け入れをしないことも大切だと思います。
Iさんについては未治療だったために妄想が激しく、他のところでも警察をすぐ呼んでしまうことで有名でした。
また、入所時は服薬管理ができていても、途中で怠薬することのないように職員が服薬管理をきちんと行うことも大事だと改めて考えさせられました。
服薬ができていない人はまだ就労の準備ができていないとみなし、入所を急がない方が良いと感じました。