障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
ダウン症の方が作業場を抜け出し併設施設へ行った事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
ダウン症の方が作業場を抜け出し併設施設へ行った
利用者が作業場から出て他施設に行き、火災報知器を触っていた
他部署にも利用者の情報を共有する、利用者の所在を職員で声を掛け合い把握する
トラブルが起きた背景
利用者Fさんが仕事に集中して取り組む事ができない日々が続いており、作業場から抜け出し廊下に座り込んでしまうことが多々ありました。
トラブルが起こった当日も作業場にFさんの姿がなく、また廊下に座り込んでいるとスタッフ全員が思い込んでいました。
施設には地域生活支援センターが併設しており、しばらくするとそちらの部署の女性職員から内線があり、利用者Fさんが支援センターの方に来ていると連絡がありました。
対応者の中での対応
すぐにFさんを迎えに行くと、支援センターの女性職員からFさんが支援センターの火災報知器を触っていたという報告を受けました。
受話器をあげただけだったので消防が出動することはありませんでしたが、もう少しFさんの発見が遅ければ大事になっていた可能性がありました。
Fさんには装置など勝手に触らないこと、作業場のフロアからは出ないことをお話しし、作業場に戻って上司に報告しました。
見守りを強化することと合わせてFさんが作業に集中できる環境作りをすることに、迅速に対応していく必要があるとスタッフ間で話し合いました。
Fさんに作業を促す声掛けをしすぎるとどんどん作業を頑なに嫌がってしまうので、あまり声掛けをしていませんでした。
本人の気持ちを尊重することを大切にしていたこと、声掛けの仕方が分からなくなってしまっていたことが原因で、作業をせず廊下に座り込むことを黙認してしまっていました。
また、今日も廊下にいるという思い込みが今回のトラブルを招いてしまいました。
作業に集中できる環境作りをもっと迅速に対応するべきでした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今回の件でFさんが併設されている施設まで行ってしまうことがあるということがわかりました。
他部署の職員にも利用者の情報を共有することで、危険やトラブルを回避できる可能性があると考えます。
特に地域生活支援センターは日中の時間帯は日中一時支援も、宿泊支援も入っていないことがほとんどでフロアに誰もいないことが多いです。
Fさんのように装置や電話等を触っていても阻止したり、見守ったりする支援員がいない可能性が高くなります。
Fさんが作業場にいないことはいつものことであると、スタッフが誰一人としてFさんを探さなかった(廊下にいると思いこんでしまっていた)ことが良くなかったです。
また、利用者の人数も多く、Fさんがいないことにも気が付いていなかったスタッフもいたことが原因であると考えます。
すぐに席を外してしまうFさんの所在を全員が意識を持って常に確認すること、スタッフ同士で声を掛け合い利用者全員の所在を確認し把握することで、今回のようなトラブルはなくしていけると考えます。