障害者施設の事例
施設名: 放課後等デイサービス
精神的に不安定な利用者の嘘を家族が信じた事例
対応者
対応者 社会福祉士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者の嘘を家族が信じてクレームに発展した
虚言ではあったがスタッフにて謝罪、今後の支援の方針を話して納得いただく
提供できるサービス範囲を守り、問題発生すれば早めにご家族に報告する
トラブルが起きた背景
Nさんは当時、特別支援学校に通う高校1年の利用者さんでした。
Nさんは診断は受けていないものの、精神的にかなり不安定な面があり、自分を守るために嘘をつくことが多々ありました。
例えば、職員から暴力を振るわれたなどという虚偽を保護者さんに話すことも多々ありました。
さすがに突拍子もないケースは保護者さんも嘘と見抜くことができましたが、保護者さんが嘘と見破れない時にトラブルになったことがありました。
特に特定の職員のことを敵視しているようで、その職員から暴言を吐かれたこと、以前にもその職員からそのようなことがあったということをNさんが保護者さんに話したようです。
そのことを持ち出され「娘が泣いているが、どうしてくれるんだ」と利用者さんの父親からクレームが来たことがありました。
最終的に私が自宅へ訪問、謝罪をして今後の支援の方針を話して納得していただきました。
もちろん職員が暴言を吐いたという事実はありません。
対応者の中での対応
私がこの事業所に異動した時は既に問題の火種がくすぶっている状況でした。
言葉を選ばなければ尻拭いをしなければいけなかったわけですが、客観的な視点で問題を見ることができた自分が自宅を訪問して話をしたことは良かった点だと思います。
悪かった点は、私が異動してくるまで、学校や自宅で起こる問題も事業所の責任にされるような状況を作っていたこと(正直、利用者さんのためなら何でもするという企業風土になっていたこと自体が問題だと思います)、放課後等デイサービスが提供するべき以上のサービスを提供する状態になっていたことです。
言葉を選ばなければ、利用者さんやご家族のわがままを許す状態にしてしまっていたことだと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
どのような福祉サービスでも提供するべきサービスがあり、一方で利用者さんやそのご家族からそれ以上のサービスを求められることがあると思います。
そのラインを越えないことが大切ですし、できれば契約時にそのことをはっきり伝えるべきだと思います。
利用者さんにとって都合が悪いことほど最初に伝えることをお勧めします。
問題が発生してしまったときは、どれだけ問題が小さいうちに行動できるかが大切だと思います。
例えば、利用者さんのご家族へ事前に「今日こんなことがあったんです」と報告をしておくだけで、その後のクレームを防げるどころか「わざわざ、ありがとうございます」と感謝されることもあります。
もちろんそんな余裕がないほど忙しい職員さんがほとんどだと思いますが、これに取り組むことが自分の仕事を楽にすることにも繋がっていくと思います。