障害者施設の事例

施設名: 宿泊型自立訓練

宿泊型自立訓練生活支援員精神障害2級統合失調症

対応者

対応者

対応者 生活支援員

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男性

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トラブルが起きた背景

精神障害があるが人懐っこく、年齢よりもずっと幼い印象。
双極性のそう状態の時は人間が変わったようにはしゃぎ多弁になる。
国立大学を出て、製薬会社で営業マンをやっているころストレスが主要因で発症。自宅で引きこもりになり、その後精神科通院を経て今の就労継続支援A型事業所へ。ネットで見た、面接していただけないかと自ら履歴書を持参して飛び入りで訪問に来た。面接後、定員に余裕があったため採用決定、現在に至る。
勤務態度は可もなく不可もなく。欠勤はなく皆勤賞に対して強いこだわりがある模様。
知的障害は認められない。
新型コロナウィルスの流行が本格化して、全国に緊急事態宣言が出されていた春のころ。事業所でもクラスターを絶対に出さないように徹底した予防対策を施し、ミーティングの場を持ち、利用者全員に不要不急の外出をしないように周知徹底させていた。
またどうしても外出しなければいけない時、いけなかった時には必ず報告してほしい旨も伝えた。特に夜間、盛り場、カラオケボックス等には行かないようにとも。
しかし他の利用者からの情報提供により、Oさんが夜間キャバクラに数度行っていたことが判明、事情を聴く。
本人の話では以前友達といったことがある店から、久しぶりに来ないかと営業のメール、直電が頻繁にあった。どうしようかと困っていたが、店のスタッフは自分が障害を持っているにも関わらずいつも親切にしてくれていたし、また誘ってきた相手が好きな(気になっている)女の子だったので、寂しかったのと情にほだされてついふらふらと誘いに乗ってしまった、反省しているとのこと。カラオケで歌も歌い、他の客ともマスクなしで大声で長時間にわたり会話もしていたとのこと。
近所にはクラスターを出したホストクラブなどが軒を連ねていたため自宅待機、自宅での内職作業を命じ様子観察を行った。他の利用者全員にも状態の確認を行った。特に事業所内でOさんと特に親しかった人には念入りに体調等の聞き取りを行い、毎日二度の検温を徹底。自宅での検温も実施してもらう。
Oさんには、毎日電話での状態報告(体調、体温等)、作業の進捗状況報告を行ってもらった。
幸い症状は出ず発熱もなかったため、今後は絶対に行かないことを確約してもらい二週間後に職場復帰してもらった。
またOさんへの心ない差別的発言等も絶対にしないことを利用者、スタッフ全員に対し全体ミーティングで提案、確認する。

対応者の中での対応

判明後すぐに自宅待機を命じた点は評価できるのだが、他の利用者が善意で情報を提供してくれなければおそらく判明しなかった可能性が高い。
営業のメール等が頻繁に来る時点で、どうしたものかと事業所スタッフに相談できる信頼関係を常日頃からしっかりと構築すべきだと痛感した。

今後同じ事例が起きた時の対処法

本人はそのキャバクラにおいて自分は障害者だと前もってつげており、それ故にみんながやさしくしてくれるし何かと面白がってくれる、居場所感を感じると話していた。営業は迷惑だが店や店のスタッフが嫌いなわけではないとも。
障害がある方などはオレオレ詐欺同様、言葉巧みに誘われた時に自ら的確な判断がつけられず、被害に巻き込まれることが多々あると思う。今回の場合も詐欺などではないが、緊急事態宣言下で来客が少ないからという理由で、あえて障害を持つ人間の淋しさに付け込んで誘うところなどは、非常識で悪質だと言わざるを得ないのではなかろうか。
また、世の中には知的障害がある方などを食い物にするという、人間を人間とは思わない悪魔のような輩が確実にいるのも事実。
そのこともしっかりと認識する必要があると思われる。
何かにつけ今こういう状況なので、なおさら常日頃からの豊かなコミュニケーションが最も重要で予防には欠かせないことなのではと思う。

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