障害者施設の事例
施設名: 就労継続支援B型
飲酒した状態のアルコール依存症患者を送迎してしまった事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
送迎時、アルコール依存症患者が飲酒した状態で送迎者に乗り込んできたため、そのまま事務所へ連れてきてしまった。
他利用者への態度が悪く、自宅へ帰した。会議で、飲酒時は事業所を休んでもらうことを決め、利用者へ周知した。
利用者へ送迎時の決まりを周知し、家族にも理解を求めることが重要。
トラブルが起きた背景
Kさんは1人暮らしのアルコール依存の利用者さんで、度々お酒が体に残ったまま来所していました。
Kさんは車で30分ほどかかる場所に住んでおり、遠いのはKさんのみだった為、送迎もKさん1人の為に1台車を出している状態でした。
朝のお迎え時、決まった時間にKさんの自宅に到着し待っていたのですが10分経っても出て来ず、さらに10分、20分と待ったのですが出てきませんでした。
Kさんに連絡しましたが繋がらなかったため、事業所へ相談し、戻ることにしました。
15分ぐらい走った頃、Kさんから「迎えに来て!ずっと待っていたよ!」と怒りの電話を受け、引き返しました。
するとKさんからはお酒の匂いが酷く、酔っている状態でした。
何度も連絡したり30分待った事を説明しましたが「俺は知らない。」と聞き入れず、Kさんは無理やり車に乗り込みました。
体が大きい為、女性の力では降ろすことが出来ず、仕方なく事業所まで連れて行く事にしました。
事業所では他の利用者さんに絡んだり怒鳴ったりと態度が悪かった為、到着して30分で自宅に帰す事になりました。
Kさんは送迎の車中でも暴言を吐いていました。
会議を開き、次から全利用者に、決まっている時間から5分待って来ない場合はお迎えしないこと、お酒の匂いが少しでもした場合は事業所を休んでもらうこと、Kさんの送迎は男性職員が対応すると決めました。
次の日もKさんはお酒の匂いがした為、会議で決まった事を話し、守ってもらえない場合、退所になる事を伝えました。
その日は休んでくれました。
作業所へ行かない場合、近所に住む家族から小遣いがもらえない条件だったKさんは、タバコ代の為にとお酒を控えて決まった時間に家の前で待つようになりました。
対応者の中での対応
時間を守らなかったKさんに強く、ダメなものはダメとはじめに言えなかった事、降ろせなかったとはいえ酔った状態で事業所へ連れてきてしまった事は絶対に行うべきではなかったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
ほとんどの事業所で、飲酒時は事業所への来所は禁止だと思います。
飲酒時以外でも、送迎時のトラブルは1番に上司へ報告し指示を仰ぐ事が大事です。
今回はKさんが無理やり車に乗ってきた時、上司へ連絡せず、どうせ降ろせないからと事業所へ連れてきてしまった為、他の利用者さんに迷惑がかかってしまいました。
利用者さん一人一人にも送迎時の決まりを知らせ、ご家族さんにも理解してもらう事がトラブル回避になると思います。