障害者施設の事例
施設名: 共同作業所
精神障害の方が休日に職員の家を訪れた事例
対応者
対応者 作業(職業)指導員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
精神障害の方が休日に職員の家を訪れた。
今後は職員の自宅に行かないように説明し、理解していただけた。
トラブルを避けるため、個人情報については厳しく管理することが重要。
トラブルが起きた背景
精神障害者共同作業所の利用者が、休日に職員の家を繰り返し訪れるという事態が起こりました。
利用者Sさんは約5年間、共同作業所に通われていました。
軽度の知的障害と鬱病の症状をお持ちでした。共同作業所内での態度は、とても真面目で他の利用者とも仲良く過ごされていました。
その利用者Sさんは、職員Uのことが好きで休憩時間などに好きな歌の話などを楽しく話されていました。職員Uのことを姉のように思われていたのだと思います。
そしてある日Sさんと職員Uが談笑していたところ、話の流れから職員Uの自宅住所がSさんに伝わるということが起こりました。
職員のプライベートなこと、例えば家族構成、学歴や職歴、住所や電話番号などを知りたがる利用者は複数おられました。
この職員のプライバシーをどの程度、利用者に伝えて良いのかという問題は当時は職員間でも意見が分かれていました。
私は職員のプライベートな情報は極力、利用者に教えるのを控えるべきだと思っていました。
それが原因でトラブルを起こす可能性もあるからです。しかし、職員Uはその点は緩めの考えをお持ちだったのです。
住所をわざと教えた訳ではないのですが、うっかり利用者Sさんに伝えてしまったのです。
利用者Sさんは元々職員Uのことが好きでしたので、休日も会いたくなり職員Uの自宅を訪ねて来られました。
その日、職員Uは玄関先でSさんと30分くらい話しただけだったそうです。
しかし数日後の祝日にも職員Uの自宅を訪ねて来られたそうです。
休日に自宅に利用者が遊びに来ること自体が悪い訳ではないと思うのですが、やはり職員は仕事以外の休日まで利用者と接するのは大変だと思います。
もしもSさん一人だけではなく、他の利用者までが職員宅を訪れたいと思うようになれば職員は苦労してしまうでしょう。
職員Uが困った状況を私や他の職員に相談したため、職員4名は会議を開いて利用者Sさんへの対応と、今後の職員のプライベート情報の取扱いについて話し合いました。
まず利用者Sさんには私から事情を丁寧に説明しました。
「職員Uさんは休日も忙しく過ごされてるので今後、休日にUさんの家に行くのは控えてください」という話をしたのです。
Sさんは悲しそうな顔をされましたが、こちらの思いを理解してくださり、その後は職員Uさんの家を訪ねられることは無くなりました。
そして職員のプライベート情報については、利用者にお伝えしないことを原則ルールと決めました。
対応者の中での対応
私から利用者Sさんに「今後は休日に職員Uさんの家に行かないようにしてください」と説明しました。
Sさんは寂しそうな表情をされましたが、最終的には私からの説明をご理解くださったので、説明を丁寧にしたことは良かったのだと思っております。
後日職員のプライベート情報の取扱いについて、私が中心となり職員同士で話し合えたのも良かったと思っております。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今回のテーマである職員のプライベートな情報の取扱いについては、職員同士でも意見が分かれていました。
しかし、私は不要なトラブルを発生させるリスクがあると思うので、特に職員の住所や電話番号については厳しく管理する方が良いと思います。
職員と利用者との関係は友達関係ではないので、どこかで区切りをつけて精神的な距離を保つ必要があると思います。
職員だけでなく利用者についても、個人情報は一度漏れてしまうと元に戻すことはなかなか出来ませんので、最大限の配慮をする必要があると思います。