介護施設の事例

グループホーム内で入居者同士が性行為を行っていた事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 介護福祉士

性別 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況 わからない

性別 男性

Aさんと妻は共に認知症で、グループホームに入居していました。部屋は隣同士です。

妻は震災前から入居、Aさんは当時独居でしたが、震災後に被災枠で入居してきました。

Aさんと妻が同居するのは久しぶりで、Aさんと妻が同室になると夫婦の営みが始まってしまいました

もちろん夫婦なので止められず、この状態はしばらく続きました。

しばらくして、妻が大腿骨骨折のため入院したために退所となり、Aさんは一人になりました。

もう夫婦の営みはないだろうと安堵していたところ、Aさんは他の女性入居者の部屋に入りました

Aさんはなかなか女性入居者の部屋から出て来ず、部屋を覗くと女性入居者と裸同士になり性行為を行っていました

良かった点

複数の職員で声をかけると、Aさんは「ごめんなさい、もうすぐ終わるから!」と弁明しました。

女性入居者もAさんを受け入れ、呆然としていました。

このことを管理者とケアマネージャーに報告。家族および法人の代表には報告しませんでした。

Aさんの居室出入りには見守りが必要となりました

年配の職員が側にいたので、彼女たちを中心に強く注意できた点は良かったと思います。

しかし、性行為を無理に止めるのには疑問が残ります。

改善点

妻と同じグループホームに入居することから、性行為があることは予測するべきでした。

しかし今回のように、妻のいないところで他の女性入居者と性行為をすることは他の職員も予想できていませんでした

今後、利用者が異性の居室に入るときは声かけの必要があると感じました。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

このような事態が起きたのは、まず利用者様のお互いの関係性(元夫婦であったこと)が残っていたこと、そしてグループホームという閉ざされた環境でプライバシーや出入りの制御が不十分だったことが重なったからだと思います。
また、性欲求や身体欲求、そして認知機能の変化が絡んで、行動抑制が効きにくくなっていた可能性も考えられますね。

分析とアドバイスは?

施設としては、「関係性情報(元夫婦など)」を入居時に把握し、個別支援計画に性的行動リスクを織り込んでおくべきです。 また、異性の居室への出入りには目配り・声かけを制度化し、職員ペアでの巡回を徹底してください。 加えて、性行動を別の表現(スキンシップ、手を繋ぐ、触れ合う等)に置き換える代替行動プランを用意し、行動を逸らす工夫を日常的に取り入れると良いでしょう。