介護施設の事例
ホームヘルパーが利用者と恋愛関係になった事例
事例データ
投稿者

対応者 介護職員(ホームヘルパー)
性別 女性
お相手

寝たきり度 A2
認知症の状況 わからない
性別 男性
利用者のTさんは、運動中の事故によって脊椎損傷になり、ホームヘルパーによる生活援助サービスを利用していました。
担当のFさんは年代が近いこともあり、事故で突然障害を負ってしまったTさんへの同情やリハビリを応援する気持ちから、個人の電話連絡先を教えたそうです。
ところが、やりとりをするうちに次第に仕事とは関係のない話が大部分を占めるようになり、気が付いたら恋人関係になっていたというケースです。

その結果、Fさんは担当ホームヘルパーとしてTさん宅を訪問する以外に、私的な時間にもしばしば連絡を取る、自宅を訪れて世話を焼くようになり周りの注意を引くことになってしまいました。
良かった点
Tさんの事故後の心情に寄り添い、回復やリハビリを応援しようとする姿勢そのものは、支援者として大切な感覚ですね。
年代が近いことから信頼関係を築きやすく、利用者が孤立せず前向きに生活しようとする気持ちを引き出した点は評価できます。

また、形式的な関わりに終始せず、利用者を一人の人として尊重しようとした姿勢は、支援の出発点としては良かったと言えます。
改善点
一方で、支援者と利用者の関係を超えた私的な連絡や交際に発展してしまったことはいけません。
個人の連絡先を安易に伝えたことで、公私の境界が曖昧になり、支援の公平性や専門性を損なう結果につながっています。
また、特定の利用者に過度に関与することで、依存関係やサービスの私物化が生じるリスクも高まります。

違和感を覚えた段階で上司や事業所に相談し、担当変更などの措置を取るべきでした。
先輩福祉士からのコメント
なぜこのようなことが起きるの?
今回の背景には、事故で突然障害を負ったTさんへの強い同情心と、年代が近いことによる心理的な距離の近さがあったように感じますね。支援者として励ましたい気持ちが先行し、個人の連絡先を伝えたことで、公私の境界が曖昧になってしまいました。その結果、「支援」ではなく「個人的な関係」へと無自覚に移行してしまったことが、今回の事態を招いたと言えるでしょう。
分析とアドバイスは?
介護職は信頼関係が重要ですが、近づきすぎてはいけません。利用者は心身ともに弱い立場にあり、関係性が対等に見えても力関係には差があります。個人連絡先の交換や私的接触は、依存関係やサービスの不公平を生みやすいですね。違和感を覚えた時点で「これは支援の範囲か?」と立ち止まり、必ず事業所に相談してください。感情ではなく、仕組みで自分を守ることも専門職の責任ですよ。
参考文献
-
介護福祉士が守るべき専門職としての行動規範
https://www.jaccw.or.jp/about/rinri/
新着の介護事例
関連ワードから探す
- アルバイト(11)
- ケースワーカー(20)
- ケアマネージャー(介護支援専門員)(43)
- サービス提供責任者(61)
- その他(19)
- 介護事務(15)
- 介護助手・介護補助(28)
- 介護福祉士(162)
- 介護職員(249)
- 介護職員(ホームヘルパー)(138)
- 作業療法士(15)
- 支援相談員(25)
- 機能訓練指導員(15)
- 歯科衛生士(2)
- 理学療法士(12)
- 生活支援コーディネーター(3)
- 生活支援員(11)
- 生活相談員(14)
- 相談支援専門員(12)
- 看護学生(1)
- 看護師(45)
- 福祉用具専門相談員(3)
- 管理栄養士・調理スタッフ(3)
- 管理者(施設長・ホーム長)(50)
- 臨床心理士(2)
- 薬剤師(3)
- 言語聴覚士(2)
- 運転手(介護ドライバー)(1)




