介護施設の事例
施設名: 介護老人保健施設
利用者が女性職員に対しセクハラ行為をした事例
対応者
対応者 支援相談員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 B2
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が女性職員に対しセクハラ行為をした。
事実確認を行い、利用者へ注意を行ったが、再度セクハラ行為があったため、契約解除となった。
セクハラ行為があったときにはすぐに伝えてもらうことで早期発見に繋げる。施設として毅然と対応することが重要。
トラブルが起きた背景
Sさんは当施設のショートステイを定期的に利用している方でした。
70歳とお若い方で認知機能面は特に問題もなく、お仕事でかなり活躍をされたプライドもあり、サービスや対応を統一するため利用のフロアを1か所に固定していました。
平成30年5月の夜間に特定の女性介護職員に対してセクハラ発言があり、当該職員が精神的にショックを受けていると介護長より報告を受けました。
具体的な内容としては「ハグしてもいい?」「部屋でジュース飲んでいきなよ」「陰部が大きくなったから触ってみる?」等の発言でした。
その他の女性職員にも同様のセクハラ的発言がないか確認したところ、多数の女性職員に対し性的要素が入っているような発言が確認されました。
本人に対し介護長から「冗談であっても真に受けて精神的にショックを受けてしまう職員もいるため、そういった発言は控えていただきたい」とお願いをしました。
Sさんは、そのような発言をしたことを認めたうえで、該当職員に対して謝罪及び今後このような発言には気を付けると返答されました。
この件に関してはかなり繊細な問題であることから、キーパーソンの妻には伝えずひとまず担当の居宅ケアマネージャーへ報告し、同様の言動が続くようであれば利用停止もあり得ることもお伝えしました。
その後、同年10月、再度特定の女性介護職員に対しセクハラの言動があり、該当職員が精神的に強いショックを受けているとの報告がありました。
事実確認を該当介護職員に行うと、9月頃より胸を触られたり「陰部が大きくなったから触ってみる?」等の話があり、個室であるため恐怖心が強く、ずっと話すことが出来なかったと介護職員は話していました。
今回被害を受けたのは、この女性介護職員1名のみでした。
対応者の中での対応
事務長・総看護師長の判断として、契約解除とすることで決定となりました。
同日の夕方、当施設の応接室にて本人・事務長・総看護師長・フロアのケアマネージャー、支援相談員で面談を行いました。
セクハラの事実確認を行い、本人も全面的に事実を認め謝罪されました。
何とか今後もサービス利用ができないものかと懇願されましたが、施設側としては一度忠告しており今回が2度目であること、職員の精神的ショックが強いこともあり、契約解除という判断は変わらないとお伝えしました。
本人より家族には伝えないでほしいと強く要望があったため、サービス利用上居宅ケアマネージャーに対しては報告せざるを得ないことを説明し、ご家族に対しては施設側から報告をしないことをお約束しました。
担当ケアマネージャーに電話で報告し、今回の利用をもって契約解除となることを説明し了承を得ました。
一度介護長より本人へ直接お話をし、本人もセクハラ的発言を認め、今後は控えるようお願いをした上で本人も了承されていたため、2回目の事実確認が出来たときに契約解除へつなげることが出来たのが良かったと感じます。
1回目の時に曖昧にしていたら、このような対応は出来なかったように思います。
本人の意向も汲んで妻には伝えずに済んでいるのも、今後の本人と妻の関係を考えると良かったのではないかと思います。
悪かった点としては、施設内でセクハラがあればすぐに役職者に報告するよう普段から啓蒙活動をしていれば、ここまで介護者の精神的ショックは大きくならなかったかもしれないと感じます。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今後はこういったセクハラ的言動を受けた場合は、すぐに上司に報告するように施設内で伝えていくことで早期発見に繋げていきたいと思います。
また、今回の対応のようにご利用者の認知機能がしっかりした方に対しては、まずは本人に事実確認と、はっきりと今後はやめていただきたいと伝えることが大切だと思います。
それにより、その後の再発防止や、同じことがあった時に施設として毅然とした判断を下すことが出来ると思います。
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