介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

利用者が複数いる担当ヘルパーを覚えられず不安を感じた事例

対応者

対応者

対応者 サービス提供責任者

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況 Ⅱa

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

利用者が複数いる担当ヘルパーを覚えられず不安を感じた。

スケジュール調整以外にも、ヘルパーが体調不良や用事で休んだ場合を考慮して複数の担当をつけたのですが、Kさんにとっては却って不安を煽る原因になってしまったようです。 原因が後からわかる形になってしまいましたが、結局はKさんが自分を守るための行動を意見にしたということでしょうか。 最終的にはヘルパーを信頼して打ち明けてくれたということで、事業所側としては満足のいく結果になりました。

日常生活の一部を忘れるということは、利用者本人にとってはとても恐ろしいことです。 それを隠そうとして冗談にしたり、突然怒り出したりと人によって反応は様々ですが、全て自分を守ろうとする行動なので何があろうと怒り返すことだけはしない。それが介護従事者としての最低限の心構えです。 人の家に入るということは日常の一部になることでもあるため、理不尽な対応を受けても一人で悩まず、原因を突き止めるためにも必ず報告してください。 認知症の利用者さんは、どんなに明るく見えても恐怖と悩みを抱えているということを忘れてはいけないと思います。

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トラブルが起きた背景

Kさんは活発で明るい独居男性ですが、最近は認知機能が低下し、服薬やお金の管理が一人では難しいということで、ヘルパーが週3回入ることになりました。
毎回同じヘルパーというわけにはいかず、日ごとに違うヘルパーが入っていたのですが、ある日事業所の方にKさんから電話が入り「ややこしいから毎回同じ人にしてくれよ!」と怒鳴られてしまいました。
スケジュール調整上仕方ないことであり、誰か気に入らない人がいたのかと訊ねると「そうじゃないけど…」と言葉を濁したためなんとか説得してしばらく様子を見ることにしました。
ところがその後、ヘルパー達の報告からも明らかにKさんが苛立つ日が増えていき、いきなり「もう来なくていい!」と怒鳴られた日もあったと言われ対策を講じることになりました。
ケアマネージャーも交えて担当者会議を開きましたがKさんの言い方があやふやで埒があかず、結局なんとかこちらがスケジュールを調整して、担当ヘルパーを一人に絞ることにしました。
その後Kさんからの文句は出なくなりましたが、ある日ふと「そういえばだいぶ前、知らない人がたくさん来て落ち着かないことがあったなあ」とKさんがヘルパーに話してくれたそうです。
正直、それほど前のことでもないのにと思いながらヘルパーが聞き出したところ、Kさんは誰かが玄関に来ても相手の顔が全く思い出せず怖くなり、要件を聞く前に帰ってもらったことが何度もあると話しました。
そのうちの一人が目の前にいるヘルパーだということは思い出せなかったようですが、「見たことがあるはずなのに思い出せなくて。そういうことが何度もあって怖かったんだよ」と繰り返し語ってくれたおかげでようやく騒ぎの原因がわかりました。
今はさすがにKさんも担当ヘルパーの顔は忘れず、すっかり落ち着いて訪問を心待ちにしてくれるようになりました。

対応者の中での対応

スケジュール調整以外にも、ヘルパーが体調不良や用事で休んだ場合を考慮して複数の担当をつけたのですが、Kさんにとっては却って不安を煽る原因になってしまったようです。
原因が後からわかる形になってしまいましたが、結局はKさんが自分を守るための行動を意見にしたということでしょうか。
最終的にはヘルパーを信頼して打ち明けてくれたということで、事業所側としては満足のいく結果になりました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

日常生活の一部を忘れるということは、利用者本人にとってはとても恐ろしいことです。
それを隠そうとして冗談にしたり、突然怒り出したりと人によって反応は様々ですが、全て自分を守ろうとする行動なので何があろうと怒り返すことだけはしない。それが介護従事者としての最低限の心構えです。
人の家に入るということは日常の一部になることでもあるため、理不尽な対応を受けても一人で悩まず、原因を突き止めるためにも必ず報告してください。
認知症の利用者さんは、どんなに明るく見えても恐怖と悩みを抱えているということを忘れてはいけないと思います。

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