介護施設の事例

施設名: 養護老人ホーム

養護老人ホームの利用者に職員が入所の際に菓子折りを要求した事例

対応者

対応者

対応者 介護職員

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 Ⅱa

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

職員が利用者に入所の際の菓子折りを要求した

職員に事実確認を行った上で、後日ご家族に謝罪。新規利用者への対応は二人体制に変更

事実確認の記録を書面で残す。情報を施設内で共有する

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トラブルが起きた背景

Sさんがうちの施設に入所することになった際に、Sさんともともと知り合いだったうちの職員Uが入所説明などの担当をすることになりました。

その際に職員Uが「入所してお世話になるのだから菓子折りの一つでも持参するもんでしょ」といった感じのことを言ってしまったようです。

それに対してSさんご家族が大激怒し、収拾がつかなくなりました。

私は騒ぎを聞きつけSさんご家族にその場で状況を確認し、丁寧に謝罪し事実確認を行った上できちんと対応することを約束しその場を収めました。

対応者の中での対応

そのトラブルが起こった当日にUと面談を行い事実確認の聴取を行いました。

Uは菓子折りを持ってくるようにとの発言を認めましたが、その意図として「施設側とスムーズに友好関係を築くために菓子折りでもあれば」というニュアンスで言ったのであって、金品を要求といった悪質な意味合いで言ったのではないとのことでした。

Uには、意図はどうあれ相手が精神的に傷ついていることを理解させ、きちんと謝罪することを約束させました。

Uも理解してくれました。

またその日の面談記録は書面に残し、内容に間違いないことをUにも確認してもらいUにも署名してもらいました。

後日Sさんご家族に、Uと一緒に謝罪に行きました。

日をおいたことでご家族の怒りもある程度収まっており、落ち着いて話し合いをすることができました。

結果、Uの発言の意図も理解してもらい許していただくことができました。

対応に対して良かった点は、トラブルが起こったその場で判断せず、きちんと事実確認を行う機会を設けUの弁明を聞くことができたことです。

また、日をおいて相手方に会ったことで、相手に落ち着いてもらえる時間を設けることができたことだと思っています。

今回の件はUが悪かったことは間違いないと思っていますが、Uにも一応言い分があったわけでそれを組織が無視し、Uが一方的に悪かったように扱っていたらUの心からの謝罪はなく形式的なもの(最悪ふてくされて)になり、こちらの謝罪は相手には届かなかったと思います。

また、日をおく(時間をおく)ことで相手方にも沈静化する猶予ができたことも良かった点だと思っています。

悪かった点は、入所者への説明をU一人に行わせたことだと思います。

Uも一人だからこそ口が滑ったというか、緊張感に欠けた対応になったのだと思います。

これを機に新規様への対応は二人体制で行うようになりました。

互いの職員が監視し合うようなイメージで緊張感を持って、また、間違いや説明不足部分があったらその場でフォローし合うことができるようになったようです。

今後同じ事例が起きた時の対処法

もし今後同じ事が起こった時は、慌てずにその場で事件の概要を確認しその場で焦って判断せず、速やかに事実確認を行いその記録を書面で残します。

そしてその書面は施設内で情報共有し、トラブル防止のノウハウとして蓄積するとともに、トラブルを起こした職員の懲戒処分の証拠としても活用します。

場合によっては、相手側(利用者)からその職員の今後の処遇について回答を求められることがあるからです。

そして相手方には後日、日をおいて真摯に丁寧に謝罪するようにしたいと考えています。

このようにすることで良い結果になると考えます。

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