介護施設の事例

施設名: 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

グループホームの利用者が扉を解錠し行方不明になった事例

対応者

対応者

対応者 ケアマネージャー(介護支援専門員)

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱa

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

利用者が扉を解錠して屋外へ出ていき、行方不明になった

近隣の協力を得て捜索し、翌日発見された

利用者が外に出たときに速やかに付き添えるようにする

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トラブルが起きた背景

Tさんは軽度の認知症をお持ちの85歳男性です。

認知症対応型のグループホームを利用されていて、ご自身の名前は言えますし、坂道や階段なども平気で歩く方です。

そんなTさんが8月中旬の暑い日に、施設の廊下から外階段につながる扉のボタンを押して、ご自分で扉を開けて屋外に出ていき、そのまま行方不明になったというトラブルです。

対応者の中での対応

昼食の際にリビングに一人だけいないTさんを呼びに伺ったところ姿が見えませんでした。トイレやお風呂場、別の階など思い当たるところをいくら探しても見つからず、施設周辺を手分けして探すことになりました。

30分ほど探して見つからなかったため、警察や行政にも依頼をしつつ、スタッフ総出でTさんを探しました

しかし、場所は入り組んだ通りばかりの土地で、いくら探しても見つかりません。

歩きで探す人、自転車で探す人、車で探す人に分かれて近所の人やコンビニの店員、よく行くお店などを探し、声を掛けていきました。

Tさんは名前は言えるものの施設の住所等は覚えていませんでした。また、しっかりと歩ける方なので周りから見ても認知症があり、行方不明になっているとは思えないような方でした。

そのため、見つからないかもしれないと非常に焦り、万が一の事があったらと不安に駆られました。

夜になっても見つからず、翌日の早朝5時頃、マンションの踊り場にずっと座っている人がいると住人から警察に通報が入り、その方がまさにTさんでした。

無事に戻ってきて結果としては良かったですが、二度と起こしてはいけないトラブルでした。

もともとあったマニュアル通りにすぐ捜索・警察・行政へとスムーズに連絡ができた点と、日頃から地域の方との関わりをまめに行っていたので、協力してくださる方が多かった点は良かったと思います。

悪かった点は、Tさんがしばらくの間リビングにいなかったにもかかわらず、その間の安否確認をきちんと行っていなかった点です。

また、本来は自動で施錠される扉が開いていたのでそこから出て行ってしまったのですが、解錠ボタンを誰でも押せるようになっていたのが良くありませんでした。

さらに、屋外に出た際のセンサーも設置していなかったので、このトラブルの後設置しました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

認知症があるから、施設に入所しているからといって鍵を閉めて出なければ安心ということは本来間違っているのではないかと思います。

施錠だけではなく、外に出てしまったときに速やかに付き添いできる体制を作る必要があると考えます。

屋外センサーの設置と周知、さらに外に出てしまうリスクが高い方にはGPSの機器を使ってもらう、靴につけるなどの工夫も必要だと思います。

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