介護施設の事例
施設名: 介護老人保健施設
入所者の結婚指輪を紛失した事例
対応者
対応者 支援相談員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 C1
認知症の状況 Ⅲb
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
入所者の結婚指輪を紛失した。
捜索したが見つからず、話し合いの上、類似品を家族が注文し、代金を負担することで和解した。
金銭・貴重品は預からないということを職員間で周知徹底するとともに、入所前に起こる可能性がある事態をご家族へ説明し承諾を得ておくことが大切。
トラブルが起きた背景
入所時からWさんは左手薬指に金の指輪をしており、職員も認識していました。
原則、入所する際は金銭・貴重品を施設に持ち込まないようご本人・ご家族に説明し承諾をいただきますが、Wさんは長年指輪をはめており簡単に外れるものではないと判断し、入所後も着用を許可していました。
しかし年齢を重ねるごとに全身やせ細り、気づいた時にはつけていたはずの指輪がなくなっていました。
おそらく自然に外れてどこかに紛れ込みそのまま紛失してしまったものと思われます。
直ちにご家族へ連絡し面会時に持ち帰っていないか確認しましたがそのようなことはありませんでした。
ご家族から「亡き夫がオーダーメイドで作成し本人にプレゼントした大切な指輪なので、何としても見つけてほしい」と強く希望されたため職員総出で指輪探しを行いました。
対応者の中での対応
2週間ほどかけて指輪が紛れ込んでいる可能性が高いベッド周り、タンス内、水回りなどを捜索し、利用しているクリーニング業者にも問い合わせましたが指輪は見つかりませんでした。
ご本人にも指輪を外したか確認しましたが、認知症のため指輪をしていたことも覚えていない様子です。
その後ご家族が面会で来園された際に時間をいただき、介護長が一連の経過について報告した上で管理者全員で謝罪しました。
さらにどのような形での解決を望まれるかご家族の意向を伺い、類似した指輪をご家族の方でオーダーメイドしその代金を施設が負担するということで和解しました。
悪かった点として、貴重品である指輪の着用を黙認していたことが挙げられます。
入所当初は外れる可能性が低かったものの、痩せてこられた時に指輪が外れてしまうかもしれないという予測が職員間でできていれば、紛失する前にご家族へ返却できていたと思います。
また、他の入所者の貴重品も杜撰な管理のままナースステーションでお預かりし、ご家族に返却していなかったということが判明し今後の課題となりました。
良かった点として、日頃からご家族とのコミュニケーションを密に取り信頼関係が構築できていたため、指輪代を負担することにはなったものの訴訟を起こされるまでには至らなかった点は幸いでした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
原則、入所時に金銭・貴重品は預からないということを職員間で周知徹底することが大切です。
一時的に預からざるを得ない場合は鍵付きの保管庫に保管し、職員間でダブルチェックを行うなどして適切に管理することが重要だと思います。
また入所前に起こる可能性がある事態(リスク)を書面を用いてご家族へ説明し承諾を得ておくことも重要です。
さらに、ご家族にはご本人の心身状態や職員の日頃の対応などについてもこまめにお伝えしておくことなどが重要だと思いました。
今回のような問題が発生してしまった時は誠心誠意謝罪し、双方で話し合いながら解決策を模索していくことも必要だと感じました。
なお、これまで用意がなかった鍵付き保管庫は早急に購入し、利用者の貴重品を一時的に保管しつつもご家族から早めに回収していただくよう担当者から連絡するという業務改善を図りました。
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