介護施設の事例
施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)
利用者がエアコンをつけず熱中症で倒れていた事例
対応者
対応者 サービス提供責任者
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅱa
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
利用者がエアコンをつけず熱中症で倒れていた
ヘルパーの報告により、すぐに自宅を訪問。熱中症で倒れるKさんを発見できた
利用者に心配事があれば、関係者に相談する
トラブルが起きた背景
Kさんは独居の男性で、軽い認知症の症状が見られましたが、体は丈夫で一人で買い物もできる人でした。
生活援助のためにヘルパーが入っていましたが、明るい性格で料理以外は何でもできるため、ほとんど話し相手のような状態。
問題なくケアが続いて真夏に入り猛暑日が続くようになりましたが、Kさんはどんなに暑い日でも決してエアコンをつけさせてくれませんでした。
ヘルパーが「体に悪いですよ」「熱中症になります」と話しても「俺は丈夫なのが取り柄なんだ。そもそも全然暑くない」と全く譲りません。
しかしさすがに35℃の猛暑日にたまりかねたヘルパーが「私がいる間だけでもお願いします!」と半ば強引にエアコンをつけるとKさんは「何をする!帰れ!」と大激怒。
喧嘩別れのように追い出されたヘルパーが事業所に事情を説明に来て、「日光が当たる部屋を閉め切っているので危ないのではと思って」と反省しながら伝えてくれたのでケアマネージャーに報告。
すぐに様子を見に行ったケアマネージャーがいくらチャイムを鳴らしてもKさんは答えず、キーボックスの合鍵で入ってみると、中には心配した通り、熱中症で意識を消失したKさんが倒れていました。
対応者の中での対応
すぐに救急車を呼んで、Kさんはしばらく入院となりました。
体温の上昇と水分不足で、あと少し発見が遅れれば危なかったそうです。
意識が戻ったKさんに当日の説明と謝罪に行くと本人はすっかり忘れており「俺そんなこと言った?」とケロリとした様子。
エアコンのきいた病室でテレビを見ているKさんに「これからはご自宅でもエアコンをつけて下さいね」と伝えると「ヘルパーさんが倒れたら困るしなあ」と渋々承知してくれたのですかさずケアマネージャーが用紙を取り出し、忘れても大丈夫なように一筆書いてもらうことに成功しました。
半ば強引にエアコンをつけたことでKさんのプライドを逆なでした結果になりましたが、当日はかなりの猛暑日で室内温度が36℃を超えていたため、ヘルパー自身も命の危険を感じるほどの暑さだったそうです。
仮にそのままケアを続けて普通に帰っていても、結局Kさんは熱中症で倒れていたでしょう。
追い出された後すぐにヘルパーが事業所に報告してくれたので、Kさんも命を取り留めた点は大きな救いでした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
利用者の意思を尊重するのは大切なことですが、衛生や健康面でヘルパーが脅かされるようでは本末転倒です。
目の前の危険に利用者が気づかないようなら、事業所やケアマネージャーに連絡してくれれば、ご家族を動かすことも可能になります。
嫌な思いをしても一人で抱え込まず、とにかく事業所への報告を心がけて下さい。
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